パチンコ・パチスロアワード

パチンコビレッジが、この1年で最も印象に残ったパチンコ・パチスロを独自の基準で選出する企画。
今年、MIP(Most Impressive Pachinko,Pachislot)として1年を代表するに相応しい機種はこれだ!

『パチスロ北斗の拳 強敵』パチスロAWARD 2015 MIP受賞記念インタビュー

パチスロMIP
パチスロ北斗の拳 強敵

パチスロ北斗の拳 強敵

[ サミー ]

今回、パチンコビレッジがパチスロMIPとして選出したのは、サミーの『パチスロ北斗の拳 強敵』。

MIP受賞を記念し、演出法則やシステムなど様々な角度からインタビューをしてきました。
インタビューを受けていただいた営業企画部 遊技機広報グループの桜井則義様、並びに開発チームの皆様、ありがとうございました!


■パチンコビレッジ:
まず初めに、MIPを受賞された感想をお聞かせください。


▼サミー:
パチスロ部門で選んでいただいたパチンコビレッジ様、ありがとうございます!
選評の通り、お母さんが作った手料理をイメージした安心感に、昨今のめまぐるしく変化する流行に負けない個性を付け加え、ハイブリッドなパチスロ北斗の拳を提供できたことが受賞につながったと感じています。


■パチンコビレッジ:
ありがとうございます。続いてシステム面についてご質問をさせてください。

本機の大きな特徴として挙げられるのが「北斗シリーズ」初めての枚数管理ATを搭載したことだと思います。このシステムになった経緯や、他に案が挙がっていたシステムなどがあればお聞かせください。


▼サミー:
継続バトルに新しさを検討し、ケンシロウの攻撃に合わせて上乗せを行う仕様を検討しました。
上乗せを行う上で百裂拳が出た際にどうしても100枚以上上乗せしたいという部分と、百裂拳をたくさん出したいという両方の希望を満たすために、枚数上乗せにすることによりたくさんの3桁上乗せを出すことに決めました。

その他のアイディアに関しては今後の機械に搭載されているかもしれませんので、そちらを楽しみにお待ちください(笑)。

■パチンコビレッジ:
32G以内の前兆というのは「北斗シリーズ」において重要なキーワードだと思います。今でこそあたり前のように思われていますが、この前兆ゲーム数になった経緯などはございますか。


▼サミー:
元々は2の乗数というソフト上の作りやすさという点や、50枚で回せる回転数という意味合いがありましたが、今作では初代のゲーム性の再現といった部分にこだわって作ろうというコンセプトがありましたので、このゲーム数にしました。

他の多くの機械とは違い、通常のステージに滞在しながら32Gの前兆を消化するので、32G内のどこでも当たるようなバランスに設計しました。


■パチンコビレッジ:
CZを搭載し、突入契機を”小役の連続”や”弱小役”にすることで、今まではがっかり役だった小役にも期待感が持てる仕様になったと思います。システムも含め、CZについて他にもこだわった点などあればお聞かせください。


▼サミー:
北斗と言えばどうしても中段チェリーに目が行ってしまうので、他の部分にも期待して欲しいという思いを込めて設計をしました。
設定毎の差や、小役の連続といった偶然性等もパチスロならではの遊びだと思いますので、そういったパチスロ本来の楽しみを感じていただけたら幸いです。

CZ中の遊びとして、今まで偶然でしか引けなかった北斗揃いが現実的な確率で訪れるというのは一つこだわった部分です。「強チャンス目さえ引ければ…」と思って遊技してもらえると楽しめると思います。

 
新たに搭載されたCZ「伝承の刻」と「七星勝舞」。「伝承の刻」中に「強チャンス目」を引くと…!?

■パチンコビレッジ:
今までの「北斗シリーズ」では、スイカの停止系が弱=平行、強=斜めだったことに対し、今作では逆になっていると思います。スイカの停止系による期待度を変えた理由はありますか。


▼サミー:
今作では新たな出目として左リールに「北斗・スイカ・赤セブン」という並びがあります。この並びに停止することで出目が強く見えたので、平行スイカを強スイカにすることに決めました。
斜めの停止系ではどうしても止めることができなかったので、見た目の強さを重視した結果ルールを変更しました。

■パチンコビレッジ:
伝統を踏襲しつつも、たくさん進化したポイントがあるんですね!


■パチンコビレッジ:
続いて演出面についてご質問をさせてください。

七星勝舞中のケンシロウには胸の傷がないなど、細かい演出で開発陣の愛がいたるところに感じられると思います。ファンに知ってほしいこだわりの演出が他にもあればお聞かせください。


▼サミー:
全体を通して、今回の『北斗強敵』は、前々作の『北斗救世主』以上に初代北斗を意識して制作しました。

・通常時のJACゲット演出
高期待のAT確定役として復活したJACですが、これだけプレミアムな役であれば通常もっと映像的に派手なものを用意するところ、初代再現という観点からあえていつもの雑魚押し順演出を採用しました。
テロップの表示なども初代を意識しこだわっております。
初代はほぼ単発でしたが、同じ流れでありながら今回は高期待のAT確定であるという「初代みたいなのに初代より嬉しい!」といったところを楽しんでいただければと思います。


AT確定役として復活したJAC。北斗揃い確定となり、大量出玉のチャンス!

・シュウについて
シュウをメインにした演出を作りたいと長年思っておりましたが、思いのほか出しどころが難しく、これまで一部の演出でのみ登場といった形が続いておりました。
しかし今回サウザーおよびシンがAT中の対戦相手に格上げとなったため、通常時のボスキャラとして全面的に採用することが出来ました。
しかしシュウは他の敵と違い「実は仲間」であるため、見せ方には様々な工夫が必要でした。
例えば通常時の単発演出から発展してシュウバトルに至る流れにしても、無辜の民をいたぶる悪党の親玉としてシュウを置くのではなく、悪党をまず出し、それを排除しつつもケンシロウに立ちはだかる謎の男…という形をとることにより、北斗の遊技性を維持しつつも映像的に自然な流れにしました。
さらにAT中のスペシャルエピソードとしてシュウの昇天を用いたり、サウザー継続バトル時に発生するレイ攻撃相当にはケンシロウにシュウの魂が乗り移ってシュウの技をサウザーに浴びせたりと、通常からAT~強敵昇天に至るまで、可能な限りシュウというキャラと物語を盛り込んだ次第です。

抽選次第にはなってしまいますが、「通常時シュウバトルでAT当選→サウザー上乗せバトルからシュウ昇天エピソード→サウザー継続バトル中にシュウ攻撃→サウザー昇天」という“シュウフルコース“を引いてもらえれば、画像担当として思い残すことはありません。
他にも、シュウステージにある“聖帝十字陵が完成しているのはおかしい”とのご指摘に基づき修正したりなど、限られた制作時間の中で最大限の対応をしました。


「仁星」の男“シュウ”。物語中に登場する数少ない人格者の一人だ!

・北斗揃い昇格
リールがセブン揃いから北斗揃いへ昇格するにあたり、いきなり派手な映像を流すのではなく、サウンドともども全くいつもの開始画面…とおもいきや昇格アクションを始める、といった流れにしました。
北斗のAT開始時といえばまずなにより「オーラ何色かな」のチェックかと思いますが、画も音もいつもの開始画面と全く同じにしつつ、ただ一点だけ「オーラ無し」で始めることにより「今回のオーラは何色かな……オーラが無い!!」という、一瞬の違和感と至福を味わっていただければと思います。


激闘乱舞開始時のオーラが無ければ震えてよし! 北斗揃い昇格確定だ!


・北斗乱舞
特化ゾーンにはお祭り感が不可欠かと思います。
ここに限ってはストーリーもなにも無視し、特化らしい派手さを求めました。
とはいえ、原作において「サウザーとの戦いに向かうケンシロウの露払いとして、ラオウとトキが聖帝軍を殲滅する」といううってつけの場面があった為それをベースにし、北斗三兄弟が揃い踏みするという夢のある構成といたしました。
また、開始画面はいつものAT開始画面と同じ流れにしつつ、そこに三兄弟を置くことで「いつもはケンシロウだけなのにこれは三人いる!!」という面白みや無敵感を出しました。

いつものAT開始画面ベースにした理由としてもう一つ、強敵昇天から北斗乱舞開始に至った時、初代北斗の「ラオウ昇天後1G連した」時の絵の流れを意識してのものでもあります。

   本機最強の上乗せ特化ゾーン「北斗乱舞」は、北斗三兄弟が揃い踏みして敵をなぎ倒す大迫力の特化ゾーンとなっているぞ!

・継続バトルVSシン/サウザーの時にはトキ避けが発生しない
トキが昇天してケンシロウが無想転生を体得し、その中でトキの動きでラオウの攻撃を躱しているので、時系列的にトキが存命であるシン/サウザー対戦時には所謂「トキ避け」は発生しない仕様となっています。(絵的に発生しないだけであって、期待度が低いわけではありません。代わりに他の演出を発生させています)

・その他ブラッシュアップ
『北斗救世主』の演出をベースとしつつも、原作再現や遊技性向上のため細部にいたるまで様々な見直しを行なっております。
例:ユダバトル時の白髪レイは勝利確定に変更/アミバ演出から子供出現パターンの削除/継続バトル時の「雲が流れているのに倒れるパターン」の削除など

■パチンコビレッジ:
今作の上乗せバトルにはユリアの実兄である「リュウガ」が追加されています。他にも候補となる強敵がいたとは思いますが、上乗せバトルの新キャラクターに「リュウガ」を選んだ経緯があればお聞かせください。


▼サミー:
今回の仕様として「継続バトルで強敵を昇天させると特化ゾーンGET」があり、それに至る近道として「AT中にスペシャルエピソードを引くと強敵ポイントが大きくたまる」というものがあります。 それを演出的に盛り上げるために逆算した結果、リュウガをチョイスしました。
VSシン・サウザーは上乗せバトルの対戦相手がそのままスペシャルエピソードのモチーフ、および継続バトルの対戦相手となりますが、VSラオウのことを考えた際、ラオウに紐づくキャラであり、かつケンシロウと闘ったことのある相手であり、実はユリアとも繋がりがあり、更に結果として(トキとともに)その生命を終える…という、ラオウとの戦いに至るまでの過程を描くにあたりこれ以上ないドラマチックなキャラだと思います。
フドウも同様の過程を踏むキャラではありますが、上乗せバトルの対戦相手としてはやや不明瞭になってしまうため、不採用としました。
しかしキャラ、物語としては原作でも際立って魅力があるため、スペシャルエピソードで起用しております。


上乗せバトル新キャラクターの「リュウガ」(画像左)。勝利すると100枚以上の上乗せ濃厚となる

■パチンコビレッジ:
バトル勝利時のPUSH連打や楽曲変化時など、数々のマニアックな法則があり、知れば知るほど楽しく打つことができるようになっていると思います。こういった開発陣の遊び心が感じられる細かい演出の法則性や裏ボタンなどのお楽しみ要素は、どのような経緯で決められているのでしょうか。


▼サミー:
強敵に関しては、開発メンバーとの打合せの中で「こういうことを入れると面白いのでは?」といった意見を良く交わしていました。その中で、実現出来たら本当に面白い・スルメ的な要素になると思えば即採用していました!
メンバーの意見を採用して、企画担当としてこだわりがないと思われるかもしれませんが、全てのユーザーに楽しんで貰おうと思うのであれば、色々な人の意見を製品開発に生かし、実現していくことが大切だと考えています。


■パチンコビレッジ:
今回ボツになった演出で、もし公開可能なものがあれば教えていただくことはできますか。


▼サミー:
・CZは北斗転生ベースの演出ではなく、全く新規のものを考えていました(リンやバットがメインとなって頑張るCZ等)。
・七星勝舞にリュウケンを出す予定でした(神拳勝舞のシン・サウザー以上の絶望キャラとして)。

 

■パチンコビレッジ:
リュウケンが出てきたら勝てる気がしないので、是非次回も非搭載でお願いします!(笑)



■パチンコビレッジ:
たくさんの質問に詳しく回答をしていただき、本当にありがとうございます。最後にファンに一言をお願いいたします。


▼サミー:
これからも、お母さんの様な安心できる要素をベースにしながら、斬新なアイディアを加えた製品を開発・提供していきます! 今後ともサミーにご期待ください!

■パチンコビレッジ:
ご回答いただいた営業企画部 遊技機広報グループの桜井則義様、並びに開発チームの皆様、本当にありがとうございました!


過去のMIP受賞機種もチェックだ!

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