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パチスロサミット2017 ~白熱! 緊急公開討論会~

8/4はパチスロの日。これは日本記念日協会が認定した歴とした記念日だ。これに合わせ、毎年この時期に「パチスロサミット」が開催されている。このパチスロサミットは、ファンにパチスロの楽しさを再確認・再認識してもらうイベントで、今回で6回目を迎える。

主催は日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)と回胴式遊技機商業協同組合(回胴遊商)、協力は日本遊技機工業組合(日工組)。日電協はパチスロメーカー、回胴遊商は販売会社、日工組はパチンコメーカーで組織された事業共同組合で、要するにパチスロサミットは作り手、売り手がファンのために開催するイベントだ。

今年のパチスロサミットは、8/5(土)秋葉原のイベント催事場「ベルサール秋葉原」で開催。入場はもちろん、各メーカーブースにおける試打なども当然無料。さらに、試打会でのスタンプラリーやステージイベントでのプレゼントも用意され、新機種の試打やライターを一目見ようと毎年多くのファンが詰めかける。

開会に先立ち、日電協理事長の佐野慎一氏と回胴遊商理事長の大饗 裕記氏がテープカット。両氏の後ろにはイベントを盛り上げる人気パチスロライターとアイドルユニット「サンスポアイドルリポーター SIR」が勢揃いし、このテープカットを合図に2階から地下1階の3フロアで様々なイベントがスタートした。

長い行列ができたのがウルトラ試打会だ。今回、出展のパチスロメーカーは全20社で、これから登場する新機種を含めた27機種を設置。27機種のうち20機種が未導入機種、さらには登場が数ヶ月先と予想される5.9号機まであり、まだ見ぬ姿に思いを馳せるファンが大勢押し寄せた。この試打会ではスタンプラリーも開催し、各メーカーの機種を試打するごとにスタンプがもらえ、それが1個ならパチスロサミットオリジナルグッズ、3個以上なら出店メーカーのオリジナルグッズがプレゼントされた。

今回参加のメーカーと機種は以下の通り。

●EXCITE『戦国パチスロ花の慶次~天を穿つ戦槍~』
●エンターライズ『パチスロ バイオハザード リベレーションズ』
●オーイズミ『パチスロ 戦乱カグラ』『想定科学パチスロ Steins;Gate 廻転世界のインダクタンス ランヴォア』
●オリンピア『パチスロ戦国乙女 TYPE-A』『パチスロ 亜人』
●北電子『アイムジャグラーEX-AE』
●京楽産業.『ぱちスロ PSYCHO-PASS サイコパス』『ぱちスロ仮面ライダーBLACK』『ぱちスロAKB48 勝利の女神』『ぱちスロ ウルトラセブン』
●KPE『戦国コレクション3』
●サミー『パチスロ 北斗の拳 新伝説創造』
●三洋物産『パチスロ 聖闘士星矢 海皇覚醒』『パチスロ 笑ゥせぇるすまん3~笑撃のドーン~』
●大都技研『政宗2』
●DAXEL『パチスロ 結城友奈は勇者である』
●ディ・ライト『戦国美少女 織田信奈の野望』
●ネット『シンデレラブレイド3』
●ハイライツ・エンタテインメント『神の左手悪魔の右目』『トロピカルKISS』
●パイオニア『グレートキングハナハナ-30』
●藤商事『パチスロ 世界でいちばん強くなりたい!』
●バルテック『ロボットガールズZ』
●ミズホ『イノキロードトゥゴッド』
●メーシー『ラグナロクサーガ』
●山佐『パチスロ セイクリッドセブン』

ステージではSIR Team DEVILのライブを皮切りに、来場者参加型の「パチスロ大好きアンケート調査」、人気ライターが交互に登場する「ライタートークライブ」、ファンへのプレゼント企画「ライター収穫祭」を実施。今回、ジャンバリ.TVとニコニコ動画による生放送を実施し、会場に足を運べなかったファンへの同時発信も行なった。ステージの進行役は、原口あきまさ氏、井田将勝氏、多田あさみ氏。出演ライターは、ういち氏、河原みのり氏、嵐氏、水瀬美香氏、松本バッチ氏、フェアリン氏、髭原人、こしあん、やまのキング氏、倖田柚希氏、工藤舞氏、トム氏、リノ氏、ジロウ氏、七瀬静香氏の計15名。

アイドルユニット「SIR」によるパチスロ目押し教室にも長い行列ができた。『スーパーミラクルジャグラー』、『グレートキングハナハナ-30』、『タイムクロス2』といったノーマルタイプを用い、ボーナスを揃えるやり方などをSIRが懇切丁寧にサポート。恐らく今までパチスロを打ったことがないであろうおぼつかない手つきの方にもやさしく説明していた。

入口近くではパチスロの歴史がわかるパチスロヒストリーと、今非常に注目を集める「ギャンブル等依存問題」についての啓発パネルを展示。パチスロヒストリーでは0号機や1号機、さらにはそのオリジナルとも言える1898年にアメリカで発明された最初のリールスロットマシン「カード・ベル」やその改良型として3本のリールと絵柄が揃うことで硬貨を払い出す「リバティ・ベル」などについて紹介がされていた。

さて、ここからは今回の本題とも言える「緊急公開討論会」について触れていこう。この討論会には事前に申し込みをしたホール関係者およびパチスロ業界関係者が聴衆として参加でき、定員400名の大規模な会場はほぼほぼ埋まる形でスタート。討論会に先立ち、第1部として「遊技産業の実態-リテラシーの促進-」と題したテーマでフジサンケイビジネスアイ編集局、遊技産業担当の青山博美氏がこの業界の現状などを解説。ちなみに、フジサンケイビジネスアイはテレビや新聞などでお馴染みの日本最大のメディア複合企業「フジサンケイグループ」に属し、主に経済分野を担当。会場で配布された「遊技産業レポート2017」の発行元でもある。

第1部で説明されたテーマは以下の4つ。

1.売り上げの死角
2.知られざる経済効果
3.カジノと遊技(レジャー)
4.依存問題について-下がり続ける射幸性-

そもそもなぜ今回このような緊急公開討論会を開いたのか。その背景となるのが、去年末の施行された通称「IR推進法」だ。カジノ法とも言われるこの法律は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」という名称で、カジノ、ホテル、国際会議場などが一体となった施設を整備するというもの。IRで観光客を呼び込み、その結果雇用などが生まれ、地域の活性化につながると言われるこの法律はもう何年も前から注目されてきていた。カジノはIR推進法の中で一翼を担うに過ぎないものの、ギャンブルということでつい世間の耳目が集まり、報道でもその部分に焦点が集まりがち。とは言え、収益の面ではカジノが圧倒的な割合を占めるためそれは致し方ないことでもある。そのカジノについて、外国を例に功罪などの報道を目に耳にした方も多いだろう。ただでさえ、日本は他国に比べギャンブルが多いと言われている。競馬、競輪、競艇、オートレース。さらに、それに建前上、遊技ではあるがギャンブルと認識されているパチンコ・パチスロを含めると成人の相当数が参加しているとされている。その中には度を超えて参加する「ギャンブル等依存症」の方が多いと言われ、このIR推進法の施行にあたりそんな人たちをなんとかすべきという声が挙ったわけだ。今後、実施法を含むIR実現に向けた制度設計が進む中で、この「ギャンブル等依存症」の問題について様々な立場の人が意見を交わすというのが今回の討論会だ。

現在のパチンコ・パチスロ業界について触れてみよう。この業界はよく30兆円産業とも言われるが、その根拠は1996年に総務庁(当時)が発表したホールの事業収入額であり、この数値で見ると年々右肩下がりで2016年は約22兆円。遊技への参加人数はピークの3000万人から減り続け、ここ5年は1000万人程度で推移。全国のホール数も減り続け、現在は約1万店だ。1パチ5スロなどの低貸しがあるとは言え参加一人あたりの消費額の増加=ヘビーユーザー化が進んでいる。よくカジノができたらホールの大部分が潰れるのではないかとの声を聞かれるが、それは今後明らかになるIR推進法の実施法による部分が大きく未だ不明ではある。総人口の減少化はもとより、遊技人口の高齢化、若年層などの新規顧客が増えない点などから、ホールの減少傾向は今後も続くと予想する専門家が多い。ちなみに、ホールの雇用規模は27万人と、百貨店総合スーパーの34万人、鉄鋼業の25万人に近い数値だ。

この業界の産業規模とカジノ業界を比べるとき、売り上げの扱いが違う点に注目したい。ホールは貸玉料を売り上げと計上し、そこから還元分を引いたのが粗利。一方、カジノはプレイヤーが投じた金額から還元分を引いた粗利を売り上げとして計上。同じ売り上げという視点で比較してもまったく異なるものを比較してしまうため注意が必要だ。また、パチンコ・パチスロとカジノではゲーム性の認識も異なる。パチスロは自分の目で見て好きなところを止める技術介入性がある一方、カジノは偶発性に頼ったもの。パチスロは遊技であって、ギャンブルではないというのが建前だ。とは言え、プレイしない方からしてみれば同じようなもので、パチンコ・パチスロは金銭のやり取りのあるギャンブルという認識が一般的だろう。

2004年の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」の改正を受け、パチスロは5号機時代へと突入。4号機時代後期のストック機やAT機によるいきすぎた射幸性を抑えるべく法改正がなされたわけだが、やはり出玉性能の抑制は遊技人口の減少を招き、当時シマをとりあえずベニヤ板で閉鎖するホールをよく見かけた。その後、メーカーの努力により徐々にゲーム性の幅が広がると同時に出玉性能も高まり、そしていつしか4号機時代に負けず劣らずの射幸性を持った機種が登場していった。これが結果的に来年の法改正を招いたわけだ。1パチ5スロが普及したとは言え、売り上げの大部分を占めるのは4パチ20スロ。メーカーの自主規制で5.5号機、5.9号機と低射幸性化を進めていくも、それでは足りないと言わんばかりの6号機時代を来年迎える。

以上のような流れで、第2部へと進行。進行役は前述の青山博美氏、パネラーとして登壇したのは以下の6名。

○元衆議院議員 杉村太蔵氏
○よしの病院 精神科医 河本泰信氏
○ホール運営会社セントラルカンパニー代表取締役 力武一郎氏
○ギャンブル等依存症などの回復支援施設 ワンデーポート 施設長 中村努氏
○エンタテインメントビジネス総合研究所 代表取締役 藤田宏氏
○パチスロ必勝ガイド パチスロライター ういち氏

第2部の討論テーマは3つ。テーマに沿って進行役の青山氏から各パネラーに意見を求める形で進行しつつ、時折意見のある方が主張するなどして討論会が展開。

テーマ1.「カジノを含むIRと遊技産業」

テーマ1では、まず業界事情に詳しい藤田氏から現在の流れと背景を説明。IR推進法の附帯決議においてギャンブル等依存症対策の強化が求められた経緯があり、それを踏まえ遊技メダルの獲得性能に係わる基準を見直すなど「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」の改正が急ピッチで進んだ。パチスロとカジノを同列に見なす向きもあるが、パチスロは遊技で、カジノはギャンブル。そのカジノの立地については首都圏、大阪、北海道、佐世保などの候補地が挙げられており、各自治体の誘致意欲が今後の選定に大きく影響を及ぼすだろう。

議員経験のある杉村氏からはIR推進法に関してこんな話も飛び出す。最近急激に増した国民の政治不信から、来年春予定の実施法施行のタイミングで今の政権がそのままあるとは限らない。そうなると、このIR推進法もどうなるかわからない。その実施法にしても、カジノ内にATMは設置できないとあるが、銀行などで多額の下ろして持参するほうが防犯上問題なんじゃないか。

カジノ立地候補の一つに挙げられる佐世保の近くでホール経営をする力武氏からはこんな意見も。カジノができてもホールにはそれほど影響はない。低貸しメインでやっていてカジノと客層がかぶることはないと予想しているからだ。日常の生活圏にあるのがホールでサンダル履きで気軽に入れるのがメリット。敷居の低さはカジノと段違いだ。ただし、雇用の影響は受けると予想。ただでさえ人手不足なのに、ホール運営の担い手である若者がカジノ産業に流れるかもしれない。それと、懸念しているのは風営法の指導の厳格化と規則改正。低貸しは認定や検定の切れたいわゆるみなし機が多く、それを入れ替える必要が出てくるのは痛手となる。ホール数は3年以内に今の1万店から7000店8000店に減っていくのではないだろうか。

今までたくさんの患者を見てきた精神科医の河本氏はこう見る。「ギャンブル等依存症対策基本法概要」でカジノに入場回数制限をかけるのは逆効果。数少ない回数で取り返そうとするから。家族が入場制限をかけるというのも、家族間のトラブルに発展しかねない。IR推進法の施行に伴いギャンブル等依存症が注目を集めているが、ギャンブル等依存症の定義「日常生活に支障をきたす」というのは医学的ではないため、大きな違和感を抱いている。

依存症の話が出てきたところで、パチンコ・パチスロなどギャンブルに問題がある人のための入所施設「認定NPO法人 ワンデーポート」で直にそういった方と接してきた中村氏は、マスコミの報道に温度差を感じていると話す。マスコミは、パチスロで破産したとか家族崩壊したとか、あらかじめ想定したシナリオに適した方を取材し、それがあたかも大多数を占めているような印象を与えている。17年もの間、いろいろな人を見てきた。ひとりひとり症状が異なる。元々、社会にうまく適応できない方がホールに行って悪化したりと、従来から何かしらの因子を持ち合わせていることが多い。ホールに行った結果、金銭問題に発展したり仕事に支障をきたしたというよりも、元々そういった性質を内包していた方がほとんど。マスコミの偏った報道や政治問題になることで、本当に必要な支援や対策が取られなくなることが心配だ。対策のための対策がどんどん進んでいる印象を受ける。

プレイヤー目線のういち氏は、ホールに打ちに行っている方のほとんどはお金のやり取り、ギャンブルが好きなのでカジノにも興味があるはず。行ってみたいと思うのは当然のこと。ただ、近くにあって毎日気軽に行けるホールと数カ所にのみできるカジノはまったくの別物。カジノが至る所にできたのならホールと競合するかもしれないが、そうはならないのでカジノはホールの競合にはならないだろう。また、パチスロとカジノのスロットマシンは気持ちの向き合い方がまったく異なる。パチスロは任意に狙って止める。スロットマシンは勝手に止まる。パチスロは自分で盛り上がるのに対し、スロットマシンは勝手に盛り上げてくれる。そこが大きく異なる。

こんな調査結果もある。アミューズメントジャパンの調査によると、週3日以上ホールに行っている方にカジノが出来たら行くかと聞いたところ46%の方が行きたいと回答。この数値はホールに行かない人の6倍だという。パチンコ・パチスロが好きな人はカジノにも関心が高いようだ。

テーマ2.「ギャンブル等依存症と依存問題」

テーマ1で一部先取りする形となってしまったが、テーマ2ではギャンブル等依存症について討論が行なわれた。

2014年、ギャンブル等依存症の疑いのある方は536万人と厚生労働省が公表。この数値はカジノを取り上げる報道の中でよく目にしたが、昨年の再調査では直近一年の参加人数は60万人、生涯なら270万人。ちなみに536万人というのも生涯での数値。一体、この差は何なのだろう。

この分野に明るい河本氏は、調査方法の違いを指摘する。この数値の出元は「SOGS」と呼ばれる調査結果。2014年の数値は全国調査で、昨年のは大都市部限定の調査だった。このSOGSの20項目に渡る調査は、5項目以上の該当で依存症の疑いがあるとされる。この調査は金銭問題の面で過大評価の部分があり、ギャンブルが根付いているアジア圏では厳しい結果が出やすく、過剰診断になりやすい。そのためSOGSの結果はあやふやであり、曖昧さが残ると言わざるを得ない。アメリカの精神学会が作った「DSM5」といった調査方法を使ってみたり、日本のギャンブル事情に沿った尺度を作るとかもあるが、このDSM5にしても4つの病態モデルを寄せ集めて診断するため、日本やアメリカなど地域が違っても同じ結果が出やすい反面、そもそもの妥当性が不明。これもまた未完成だ。ギャンブル等依存症は精神障害であって、病気とは断言できない点も付け加えておきたい。

昔ホールでアルバイトの経験もある杉村氏は、依存症対策に着目。ホール側に依存症対策を迫るのは酷なことで、例えばアルコール依存症の方を酒屋や居酒屋が気にして商売しているかといえばそうではないし……。そもそもパチンコ・パチスロは自己責任ではないのか。

河本氏はさらにこう続ける。ギャンブル等依存症の患者に何も対処しなくても1年以内に自然寛解している割合が25%から50%程度存在する。このことからも、ギャンブル等依存症と診断されても、必ずなんらかの処置が必要であるとは言えないわけだ。ギャンブル等依存症と診断された多くの方が元々持っている重症化因子が問題と言える。

中村氏は、患者ひとりひとりの対処法は異なると話す。ワンデーポートは日本初のギャンブル等依存の更生施設であるが、国会議員は誰一人として来ていない。この前、新宿区の議員の方と話したときに、現状や対策の個別性の話をしたら、この依存症対策は国の制度で対策できるものではなく、民間NPO的な発想じゃないとできないものだと共感をいただいた。

業界の依存問題への取り組みの話が出たところで、力武氏が発言。自身もリカバリーサポートのメンバーでギャンブル等依存症の方とは長年近い距離で接してきた。依存症の方をサポートする電話相談の必要性は感じているし、ホール内では問題がありそうな方がいたら声をかけるなどアドバイザー的なスタッフの育成が今後の課題だ。

藤田氏が続く。アドバイザーは専門の研修を受けて認定している。今、1店に1人置くことを目指しているところで、いずれはどの時間帯でもアドバイザーがいるように3人くらいは目指していきたい。

ういち氏の意見はこうだ。負けてカッとなるというのは機械の仕組みを理解していないから。勝つべくして勝つ人、負けるべくして負ける人がいて、ギャンブル等依存症の方はほとんどが機械の仕組みを理解しておらず負けるべくして負けている。そういう方に機械の仕組みを教えてあげるというのも一つの対策になるのではないだろうか。機械の仕組みを知れば、以前ならカッとなっていた場面でも冷静になれて、一歩引いて向き合えるはず。でも、理解してない人ほどホールにとっては上客。その辺りが難しいところ。

テーマ3.「今後の遊技産業について」

ここで、未来を見据えたテーマへと進む。

ういち氏は言う。6号機時代になると射幸性の低下から単純につまらなくなるだろう。今までこの業界はプレイヤーを煽って煽ってのめり込ませて繁栄してきた歴史があるが、出玉の抑制は依存症対策にはならないだろう。歴史的にはパチンコが締め付けられたらパチスロが緩和されたりとアメとムチのバランスが取られていたが、今回の法改正は両方が締め付けられる苦しい状況。それでも今まで幾多の困難も乗り越えてきたのがこの業界。メーカーは頭の人が多いから、きっとまた新しいゲーム性を作り出しプレイヤーを魅了してくれるはず。もし、庶民に根付いたこの文化が終わるというのなら、見てみたい。それくらい、この業界が終わるということはあり得ないと思っている。

杉村氏はこう見る。一般プレイヤーと一部の依存症の方を共存させるにはどうするかが難しい。なかなか答えが出ない問題だ。今も進行中の地方経済の衰退が、今後も継続的に進んでいくのは明らかで、この業界もまた厳しい時代を迎えそうだ。

中村氏からはこんな話も。依存症は根深い問題で、ワンデーポートに来ても良くなる方は1割から2割程度。すぐに解決できる問題ではなく、即効性の薬があるわけでもない。病気というよりは人生の問題だと思っている。ポーズにならず、地域や、家族などを含めて議論する課題でもある。

最後に、将来に向けてのコメントで討論会は幕を閉じる。

ういち氏……ギャンブル等依存症対策などもあってパチスロは今までよりも多少敷居が高い存在になっていくのではないだろうか。いちライターとして今後もパチスロを楽しんでいくという点は変わらない。

力武氏……普段からジャグラーをよく打っているけれど射幸性の下がった6号機になったら打つかどうかわからない。我々ホールは依存症対策としてリカバリーサポートなどのきっかけ作りをやっていけたらいいと思っている。

藤田氏……ホールがプレイヤーにとって気が休まるとか日常にはない刺激を味わえるサードプレイスとしてのサービスを提供できればファンはきっと戻ってくるはず。

杉村氏……2時間討論会をやって結論が出ないというのは珍しい。答えがまったく見えてこないので検討課題として今後も勉強していく。カジノは入場料1000万など超VIP対応にしてみるのもありでは。

河本氏……儒教文化の日本は規範重視の人がうつ病を発症しやすいなどの特徴がある。老荘思想で日本の文化を大事にしていきたい。

中村氏……ギャンブル等依存症については現場のホールの人が一番わかっている。対策を作るときにはホールと一緒にやっていければ幸いだ。

パチスロ業界はこの秋から早くも動き始める。10月以降に導入される新機種は5.9号機となり、現在の5.5号機よりもさらに射幸性を抑えた機械しか新機種として登場しなくなる。それに合わせメーカー各社の動きも慌ただしくなり、9月末までに登場する機種数は例年にないほどの数となっている。そして来年2月からは抜本的に仕様変更される6号機だ。機械の性能や依存症対策など、目が離せない状況はしばらく続くだろう。

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