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更新情報

50音 (340/1905)

キングスライオン

西陣

発表時期
1993年
2月
種別 2種
玉貸機
現金機
検定番号 210533
羽根開閉時間(落とし、センター)0.5秒、0.8秒×2回
カウント&最大継続回数9個&8回
賞球数オール13

通常時の羽根開閉音などは初代『レッドライオン』とは異なるものの、V入賞後の効果音や役物の動きなどは初代にかなり似ている後継機。1チャッカーと2チャッカーに同時入賞した場合は2チャッカーが優先される。

始動チャッカーに入賞すると役物上部に1と表示され、V入賞すると2から始まる。最終ラウンドは9(継続8回目)。正しい表記ではあるが、ちょっとわかりにくいかも。

V入賞パターンは、羽根から一直線、下段に落ちて巻き込むようにして、複数の玉が絡んで、などがある。上段で奥に流れたらV入賞の可能性はない。

大当たり後はヘリが上下動し、ローターが回転する。停留などはなく、継続率は台のクセに左右されがちだった。

売れれば官軍、売れなければ休刊

 

出版社からの下請け、孫請け、ひ孫請けという形で数多くのパチンコ雑誌作りに勤しんできた。

大切なのはパチンコ雑誌が売れること。より多くの部数を発行し、より多くの実売を記録し、できれば右肩上がりで伸びていく。当然だが、出版社も編集部も末端ライターも、関わる人は皆、それを望んでいる。

 

発行部数、実売、返本率など、全ての情報を外部の編集部に対して全く公開しないAという出版社があった。その責任者は創刊前から熱心に創刊を勧めてくれたし、ちょっとイケイケなところもあって親しみを感じる人で、打ち合わせも楽しいものだった。そして、創刊号が売れ、2号目3号目も調子良く、彼は中身に関して口を出すことはなく、関係性は非常に良いものだった。

しかし、こちらが「完売ですかねえ」などと振っても「いい感じだよ。考えていた以上の数字だ」としか言ってくれない。刷り部数や返本率などは、その出版社としてはマル秘事項ということだった。

当時、パチンコ雑誌は雨後の筍のごとく増加していて、私が所属する編集部ではメインのパチンコ雑誌以外にも別冊や月・週刊誌からの原稿依頼もあり、抱えきれるキャパシティを超えてしまった。1週間編集部に泊まり込んでもこなせないのである。結局、そのA社のパチンコ雑誌ごと違う編集プロダクションに譲り、手を引くこととなった。

 

この雑誌はその後1年も経たずに休刊になったのだが、久しぶりに責任者に会うと「キミたちがずっとやっていてくれたら良かったのに」と恨み言を言われた。

「返本率、上がっちゃったんですか?」。

無駄とは知りつつ聞いてみたが、具体的な数字は最後まで一切、話してもらえなかった。

 

発行部数、実売、返本率など、全ての情報を編集部に対してデータでしっかり公開してくれるBという出版社があった。特に重要なのは某コンビニエンスストアの返本率で、3日目データが出た段階で出版社から電話がある。発売後3日目のデータで判断するなんて、と最初は思っていたけれど、これがなかなかの確率で最終的な返本率を予測できる数値なのだ。

良ければ「今回は数字がいいね」で終わり。

しかし、悪ければ「数字が悪いんだ。悪かった原因を分析して。来週、来て」。

 

毎号、少しでも売れるように最新機種や攻略法を紹介し、楽しくて役立つ情報を掲載し、綺麗な写真を撮影し、文章の見出しやコピーをひねり出し、編集会議で話し合う。

そうやって作った雑誌を発売後3日目に売れなかった原因を分析させられるのである。新機種や攻略法が弱かった、マンネリしているかも、時期的に…などと色々な「言い訳」を考えて出版社と話し合う。これはちょっとしんどい作業であった。

 

この出版社でも創刊号は売れた。2号目は最高の売れ行きを記録した。いわゆる完売。この時は出版社も大喜びで「今後もこの調子で頑張ってくれたまえ」とばかりに高級しゃぶしゃぶをご馳走になった。

 

これまでに関わった10誌近いパチンコ雑誌が休刊となった。残念なことだが、時代の流れだろう。

パチンコ雑誌を創刊させる作業はワクワクするし、順調に発売し続けるのも楽しい。

とはいえ、締め切りに追われるのは辛い。出版社や印刷会社やデザイナーから矢のような催促を受けるのは思い出しても心臓がキュッとなる。

インターネット全盛時代だし、もうパチンコ雑誌に資料提供やライター以外で関わることはなさそうだ。

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