スーパーシャトル
京楽産業
発表時期 |
1986年
春
|
---|---|
種別 | 2種 |
玉貸機 |
現金機
|
羽根開閉時間(落とし、センター) | 0.5秒、0.75秒×2回 |
カウント&最大継続回数 | 10個&8回 |
賞球数 | オール13 |
最高継続回数8回の羽根モノ。京楽産業の最高8回継続タイプの羽根モノの中で、設置台数や人気度でベスト5に入るのではないか。基本的にはオーソドックスなタイプ。
当時の羽根モノは賞球数はオール13が当たり前だったので、天穴などへの入賞もそれなりにあったこともあり、玉持ちはそこまで悪くない。
羽根が開放した際に拾われた玉がV入賞すれば大当たり。
V入賞パターンは主に3つ。
一つは、羽根が閉まりかけた際に拾われた玉が一直線にV入賞するというもの。役物のクセに左右されないので、クセの悪い台であってもこのパターンでV入賞することがある。
次に、複数個の玉が拾われて互いに干渉しあって、つまりぶつかったり弾かれたりしてどさくさ紛れにV入賞するパターン。これも役物のクセの影響をあまり受けないので、クセの悪い台の代表的なV入賞パターンになる。
そして最後が、『レッドライオン』(西陣の羽根モノ)と同じように、拾われた玉が羽根の根元でいったん止まり、閉まる際に役物下段に転がった時にまるで磁石に吸い寄せられるようにV入賞するパターン。これが百発百中に近い形でV入賞する台は非常に役物のクセが良い台となるが、継続時には羽根の根元に突き出してくる突起物の影響を受けるとはいえ、大当たり後も同じ拾い方をするとすぐに入賞してしまうため、大当たり出玉がかなり少なくなる。
スーパーシャトルの女
その1…朝から台を確保するだけで打たない失礼な奴
昭和50年代から60年代に、ほぼ同じホールに6年間ほどパチプロとして在籍(w)していた。機種名で言うなら、バイキング(平和)~アトムⅡ(三星)が設置されていた頃だ。羽根モノをメインに、普通機から権利モノ、一発台、たま~にデジパチといった感じで、3000個定量(時代や機種によって異なる)のホールに通っていたわけだ。
『スーパーシャトル』は、6年間で打った時間の長さベスト10に確実に入るくらい打ちまくった機種である。今でも台番号を言われれば、左落としの形状をありありと思い出すことができる。特にクセの良い2台は、ちょっとでも釘がアイたら打ち止めにできるから、常にマークしていた。
そして、前日に打ち止めにした台は翌日も「打ち止めにした人に打つ権利がある」といった暗黙の了解があったから、人相が悪かったり体型がデブデブだったりチンピラ風情だったりする他のパチプロやセミプロでさえも、俺が前日に打ち止めにした台を朝一に奪うようなことはめったになかった。当然、こちらもくだらないプライドがあるから、前日に他のパチプロが打ち止めにした台を朝から確保するようなことはしなかった。
ある日、前日打ち止めにしたクセが素晴らしく良い132番台に向かうと、上皿にマイルドセブンが置いてある。
ん?
確かに、他にも気になる『レッドライオン』のクセの良い台や、『キングスター』(SANKYO)や『スーパースター』(ニューギン)といった羽根モノのシマを見てからここに来た。店の裏に原付を止めるから、正面入口から入る人に比べて『スーパーシャトル』のシマに来るのが遅れたことも否めない。
しかし。
仕方なく、隣の『メリーゴーラウンド』(三洋物産)のシマで打ち始める。
普段はあまりトイレに行かない。ある程度の出玉を得たら25個のパチンコ玉を持って玉で飲めるジュース販売機に行き、紙コップのジュースを購入してからトイレに行くのがルーティーンだ。そのついでに、各シマを見て回り、出玉具合を確認する。
ところが、132番台にはマイルドセブンがあるだけ。いつまで経っても誰も座らない。朝番の店員は3人いるが、30分くらいそのままでも呼び出しに動くこともない。
1時間ほど経ってから座ったのは20代の女性だった。
見かけたことはある。何度か『スーパーシャトル』を打っていた。
これがセミプロ以上の男だったら確実に何らかの刑を執行する。若いパチプロにお行儀の良さなど求められても困る。
しかし、気分を害しながらも相手は女性である。当時は本当に女性客が少なく、それゆえに目立つのだが、苦笑いをして終わりである。
これには後日談がある。この後も何度か同じような状況に遭遇し、さすがに少しプンプン! という感じだったのだが、なんとこの女性、吉田君(本名)の彼女だったのである。
※吉田君(本名)…元営業マン。羽根モノで稼いでいた頃、「社長社長!」と言いながら陽気に近づいてきた。あとで聞いたら「年上だと思ったから」。のちに飲みに行くようになった。自宅に招いたこともある。『スーパーコンビ』大好き男。
ある日、吉田君(本名)から飲みに誘われた際、「先に行っていて。ああ、彼女が先に行くから」。
その時に来たのがマイルドセブンの女だったのである。あれは気まずかった。
吉田君(本名)は相変わらず俺とマイルドセブンの間で楽しそうに振舞っていたが、その後もマイルドセブンとはイマイチ、ぎくしゃくした関係だった。
事情を聞くと、そのホールの近くで働いていたらしいのだが、どうしても11時くらいからしか打てないので、確保した台を片付けられるのを覚悟した上で1時間くらい放置していたとか。前日に打ち止めになった台をマークしていただけで、誰が打ち止めにしたとか、暗黙の了解とかは意識していなかったとのこと。
その2…足元に置かれた冷蔵食品
今こうして思うと、『スーパーシャトル』は女性に人気の羽根モノだったのだろうか。再び登場するのも女性である。
朝10時にホールにやってくる人はパチプロもしくはセミプロとして認定する。そして、あからさまな敵になるか、それとも自分とはかぶらない機種選択によりそれなりに仲良くやっていけるか、が決定する。
一方で、開店時刻からしばらくしてからやってくる人は眼中にない。少なくともライバルになる可能性はないからだ。
ただ、気になる人は出てくる。
昼以降に『スーパーシャトル』のシマにやってくる40代~50代未満くらいの「スーパーな女性」もそんな気になる一人だった。
クセが良くて打ち止めにできるような台はすでに誰かが打っていることが多く、スーパー女性はそれ以外の台を打つのだが、不思議と他のシマで打っているのを見かけなかった(そんなに注目していたわけではないが)。まあ、『スーパーシャトル』が好きなんだろうくらいの気持ちだったのだが、何が気になるって…。
スーパーで買い物をして、そのレジ袋(野菜や肉などが入っている)を足元に置いてパチンコを打つからである。
大きなお世話である。
しかし、気になって気になって仕方がないのである。
わざわざ覗いたりはしないけれど、すぐに家に帰って冷蔵庫に入れたほうが良い野菜や肉などがその袋の中に入っているのである。
パチンコは打てばいい。打ってほしい(回りまわってその金が…と思うから)。でも、いったん、家に帰って冷蔵庫に入れてからにしませんか?
その後、しばらくは1人でやってきていたが、ある時からは恐らく娘と思われる20代女性を連れてくるようになった。その時も相変わらずスーパーの袋を足元に置いていて。
132番台を打っているとどうしても視界に入ってしまうので、何とかスーパー女性が来る昼までに打ち止めにしたいなどとワケのわからないことも考えたりして。
こんな経験があるからか、今でも特に冷蔵&冷凍品購入後は、発砲スチロールに氷などを入れてその中に移してなるべく道草をせずに家に帰って冷蔵庫直行! みたいな変に神経質な面を持ち合わせるようになってしまった。
スーパーシャトル4号 | |
羽根開閉時間(落とし、センター) | 0.5秒×2回、- |
カウント&最大継続回数 | 10個&8回 |
賞球数 | オール13 |
両落とし入賞で羽根が2回開くタイプの兄弟機が、スーパーシャトル登場の翌年に発表されている。
スーパーシャトル3X | |
羽根開閉時間(落とし、センター) | 0.5秒、0.75秒×2回 |
カウント&最大継続回数 | 10個&8回 |
賞球数 | オール13 |
令和元年に発表。大当たり後は、スーパーシャトルの胴体が上下しながらローリングする。