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50音 (1324/1905)

ビッグポーター

マルホン工業

発表時期
1990年
6月
種別 普通機
玉貸機
現金機

 

賞球数オール13

当時、各メーカーから数多くの3つ穴クルーンタイプの一発台が発表されていたが、マルホン工業の3つ穴クルーン代表機といえばコレ『ビッグポーター』だ。一発台特有のクルーン飛び込み口のゲージ部分から抜けた玉がクルーン手前穴に入れば、盤面下部にあるチューリップが開放する。賞球数はオール13。盤面最下部には様々なメッセージが出現するが、見る人はいない。

大当たり後は、クルーン手前穴入賞で開放するチューリップの端に当たった玉がその下にあるチューリップに流れることによって、ホールが定めた個数まで玉を出すことができる。

とにかくポイントは、クルーンへの入賞個数と手前穴に入賞する確率である。これらは釘読みとストローク、寝かせの把握でつかむ。クルーンに飛び込むと効果音が鳴るので、それを目安にする手もあった。

思い出される情景

 

『ビッグポーター』と聞いて真っ先に脳裏に浮かぶのは、『ビッグポーター』を背中に抱えてパチンコ店に向かう男の姿である。

 

パチンコ雑誌編集者としてまだペーペーで、金もなくいつもピーピーしていた頃、西日本のある地域に取材に行くことになった。取材対象者はホール関係者のY氏(60代)。当時はまだ国会議員やヤクザしか持っていなかった携帯電話を所有し、国産高級車に乗って仕事をしていた。

 

数回目の取材時、おもむろにY氏(恰幅が良く、ヘビースモーカー)が言った。

 

「平成さん、そういえばこちらの(パチンコメーカーの)ショールームを回ってみたいと言ってましたよねえ」。

 

いつもバシッとした背広を着こなし、穏やかな表情をあまり崩さないものの、何かあると眼光が鋭くなる。当時の〇〇組4代目組長とも昵懇の仲で「親分に会いに「□□さん、おるぅ」って入ろうとしたら若いモンに追い出されそうになりましたわ」と本当かどうかもわからない話をする。そんなY氏(女好き)に敬語に近い言葉で話しかけられるとドキッとする。

 

「ありがとうございます。もし良ければお願いしたいです」。

 

年齢は親子以上に離れているし、共通点はパチンコ関連の仕事をしていることくらい。しかし、そんなY氏(年収は2000万円くらい?)とペーペーが大阪で取材をするたびにどんどん仲が良くなっていく。

仕事が終わると、Y氏(既婚者)は食事や飲みに誘ってくれる。断る理由はないので付いていく。当然、メシや酒で終わるわけはなく、朝までドンチャン、歌えや踊れやあれやこれものフルコースとなる。ペーペーが人生の楽しいあんなことや、秘密のこんなことを体験させてもらえるのだ。貴重な社会勉強である。

 

しかし、Y氏(家の前まで行ったことがある)も家庭を持つ一人の男。朝帰りどころか昼帰りをしたところを奥さんに問い詰められたり、そのうち奥さんから直接、編集部のペーペーに電話連絡が来たりすることもあった。ただ、自慢することなどほとんどないペーペーだが、瞬間的に上手い嘘をつくことができるという特技がある。反射的に、冷静に、あることないこと、いやないことないことに色々と味付けをして、相手を納得させるだけのことを言い放てるのである。

 

Y氏(焼肉好き)と「これは内密に」などと言い合うような、アリバイ作りを模索するような格好悪いことはしない。阿吽の呼吸である。

ただ、当然のことだが、いくら遊んでも働いたことになっているし、担当編集者からの良い評判がY氏(字は汚い)の奥さんの耳に入っていることもわかったのだろう。

 

しばらくすると、「平成さん、今度、いつ大阪にいらっしゃるのですか?(だから敬語は怖いって!)」とか

「今度、東京に出張に行くんですよ。お付き合いしてくださいな」と、

指名(笑)が入るようになった。

 

多分、付き合いのあった時期のトータルの飲食とその他のイロエロな代金の支払合計は3桁には届かないかもしれないが、2桁万円の後半には達したことだろう。Y氏(お元気かなあ)にとっては痛くもかゆくもなく、でも楽しかった。そんな感じだろうか。

 

話が逸れた。

 

国産高級車で各メーカーのショールームをいくつか回り、マルホン工業のショールームへ。

ショールームに入ると、『ビッグポーター』という機種名のプレートはあるが、肝心のパチンコ台がない。すると営業マンらしき人がやってきてY氏(福耳)に言った。

 

「すいません、今、台を持って山奥のホールに営業に行っちゃったんですよ」。

 

それを聞いた瞬間、パチンコ台を背中にヒモでくくりつけて歩いて山道を登る男の姿をイメージしてしまい(もちろん、車にパチンコ台を積み、ちょっとした田舎に行ったに過ぎない)、一人で大ウケ。

 

その情景が未だに『ビッグポーター』と聞くと思い出される、という話であった。

ちょっと無理があるのでは?

 

当時のマルホン工業の一発台の特徴は「釘が汚い」。これに尽きる。『パラレル』のように、最初から一発台として稼働させることを目論んでいない機種では、その後にホールが頑張って釘を曲げるから、一発台に変身すると見た目の釘調整が汚くなるが、『ビッグポーター』は最初から一発台として開発しているはずだから、もう少しどうにかならなかったものか。

 

一発台では、パンクと出玉を稼ぐ際の玉止まりなどは避けたいもの。しかし、この『ビッグポーター』は出玉を稼ぐ部分の元ゲージが甘いので、一発台に変身させるためには大きく釘を曲げなければならない。飛び込み口はまだマシだが、盤面下部のチューリップ周辺と出玉を稼ぐ部分は、実際に稼働していたホールでの見た目が悪い。ちょっと無理があるのだ。

打つ分には何の問題もないけれど、色々大人の事情があったのだろう。

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