ブラボーキングダム
平和
発表時期 |
1992年
2月20日
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種別 | 1種 |
玉貸機 |
現金機
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検定番号 | 100614 |
大当たり確率 | 1/225 |
カウント&ラウンド | 10個×最大16回 |
賞球数 | 7&15 |
前年の1991年(平成3年)に初のカラー液晶機となる『麻雀物語』を発売し、その連チャン性もあって大きな話題を呼んでいた時期に発表された平和のドットタイプのデジパチ。払い出し出玉は2400個。大当たり確率は1/225だが、その独特の連チャンシステムで人気を博した。ホール導入後、半年近く経ってから攻略法が世に出回った。
ヘソ、もしくは両肩にあるSTARTに入賞するとドットデジタルが変動。0~9、H、E、I、W、Aの各図柄の3つ揃いで大当たり。ワープゾーンあり。リーチが長くなると期待感が増す。大当たり後は短い間隔で大当たりになるゲーム性。
初打ちで見た異様な光景
初打ちは1992年3月のこと。上野の新装開店に行き、朝一から打ち始めた。もちろん、仕事だ。回転率は1000円で30回以上あり、40台以上設置されているブラボーキングダムのシマは満席。他の台が大当たりになるたびに、台番号と大当たり時刻と図柄をメモしていく。しかし、単発でポツポツと大当たりにはなるものの、保留玉での派手な連チャンはほとんどない。『麻雀物語』とは違うのだろう。大当たり確率から考えると、1/240の『麻雀物語』のような派手な連チャンがなくてもおかしくはない。そう考えざるを得ない。ただ、たまに保留消化を終えてからの5~7連チャン程度は見られた。連チャンの引き金になっているのは…たまにかかるロングリーチか。いやいやワープゾーン出口にある可動体が何かのカギを握っているのでは?
情報が漏れ伝わってきた!
その予想は全く見当外れだった。攻略法が水面下で漏れ始めたのはその年の8月終わり頃だったか。当時の攻略誌は当然、かなり強烈なライバル関係にあり、お互いの雑誌を罵り合うような誌面構成になっていることもあったけれど、雑誌間での編集者の動きや様々な事情もあり、次号に〇〇の攻略法が掲載されるらしい程度の情報は持ち合わせていた。
実に簡単な打ち方で連チャンすることがわかった。確かめなければならない。ただでも忙しいのに、誌面に掲載するためにはホールで実戦し、しっかり連チャンさせたデータを取らなければならない。そして、『ブラボーキングダム』攻略法の記事を巻頭カラーで紹介しよう。売れるぞ。
8月末から9月頭にかけて、6つのホールで実戦を行った。後半はもう、半分儲けるためだけに打ったと言われても反論できないが、まだほとんどの人が知らない攻略法を使って連チャンさせる快感は、それをパチンコ雑誌で紹介できる快感との相乗効果もあって、実に大きいものだった。
ハイエナが有効なことは知れ渡っていた
都内某店で打っていた9月2日。1800円ですぐに大当たりになり、運良く10連チャン以上した。大当たり後の保留消化でハズレリーチがかかったので即ヤメする。と、背中側にある台に座ってこちらをマークしていたオヤジ連中が数人、走り寄ってきた。そして半分喧嘩しながら、連チャンが終わったばかりの台を確保しようとしている。
「ニイちゃん、ヤメるんだろ」。最初にそう声をかけてきたガラの悪いオヤジが確保に成功。ドル箱を片付けている自分に構う様子もなくすぐに打ち始めた。その後の状況は知らない。オヤジ連中は「バカなニイちゃん」くらいに思ったことだろう。こちらとしては、『ブラボーキングダム』が、大当たり後に(保留を超えた)短いスパンで大当たりが来る機種であるということを、一般のオヤジ連中でも知っているということを理解できたことが大きな収穫だった。
収益は+6万円チョイ。
しかし、翌日に怖い目に遭う。
チンピラに囲まれたチンピラ
池袋に山楽という某パチプロが通っていたことでも有名なホールがあり、その地下に『ブラボーキングダム』が設置されていた。朝からではなく、午後からでも勝てるデータを取りたい。午後4時前、大当たり後に即ヤメした台があったから打ち始めると、見事に連チャンしてくれた。ゾーンを抜けたので出玉を交換し、新たに即ヤメした台を打ち始めた時だった。
入店した時から若干、気にはなっていた。小太りで派手なシャツを着たチンピラ2人組がずっと同じシマで打っていて、自分と同じ動き(打ち方)をしていたのだ。その2人が、自分が座っている台の左右に同時着席! 一瞬、刺されるのかと思った。そして、右側の男がドスの利いた声で言った。
「今日のところは勘弁してやるけどなぁ、明日からは来るんじゃねぇぞ!」。
「あっ、今日はいいんだ」と心の中で安堵する。どこかに連れていかれることも想定していたし、「出ていけ」と言われるかとも思った。良かった、チンピラみたいな風体で打ちに来ていて。心は優しいけれど見た目は怖いので、2人組も少しはビビッてくれたのかもしれない。
ただ、誰かに指図される覚えはない。でも怖い。とはいえ、仕事の一環でもある。
軽く頷いて打ち続けることにする。と、「おい、あの台はハズレリーチかかってないよな?」。数台奥の台を指さして言う。「知るか」とは言えず「はい」と小さい声で言う。
そうか、すでに攻略法として出回っているのか。それを知ることができたのは良かった。もう少し勇気があれば情報の入手先を聞きたかったところだが、ポンコツ編集者にはこれが限界だった。恐怖の代償は5万円チョイ増えた財布の中身。
攻略法封じの大サービス
その後、攻略法がパチンコ雑誌に掲載されると、ホールは様々な対策に乗り出した。その一つが大当たり後の保留玉追加サービスである。思わず吹き出してしまうその内容は、大当たり終了後、保留消化中に店員が保留玉4個分を強制的に手入れするという何ともファンキーなものだった。攻略法を知らない人々は「いいサービスだね。他の台でもやってよ」などと笑顔だったが、攻略法を知っている人にとっては迷惑千万! もうこんなホールには来ない! となるのだから、ホールにとっては実に素晴らしいサービスだった。
ブラボーキングダムG | |
大当たり確率 | 1/210 |
ラウンド&カウント | 調査中 |
賞球数 | 6&13 |
一部地域に設置されたブラボーキングダムGという兄弟機が存在する。大当たり確率は1/210で、賞球数は6&13。