うちのポチⅠ
SANKYO
発表時期 |
1990年
3月
|
---|---|
種別 | 2種 |
玉貸機 |
現金機
|
羽根開閉時間(落とし、センター) | 0.4秒、0.6秒×2回 |
カウント&最大継続回数 | 10個&8回 |
賞球数 | オール13 |
役物内のポチの見た目だけではなく、羽根開閉時に動く耳や足、尾なども可愛い羽根モノ。女性デザイナーがデザインしたとTVなどでも紹介された。
落とし入賞時は両耳が1回上下動、両足が1回、尾が4回前後に動く。センター入賞時は両耳が2回上下動、両足が2回、尾が8回前後に動く。重要なのは両耳の動きで、これが一瞬、水平になった時が最大のV入賞チャンスとなる。というのも、水平になった際に玉が流れてくると、役物上段奥にあるポチの家を通って下段の足の下から出てきて、これがたまに足の動きによってV入賞を邪魔されることがあるとはいえ、代表的なV入賞パターンなのだ。この両耳が水平になるのは羽根開閉後すぐのため、開いてすぐに拾われた玉のV入賞率が高くなる。
これ以外にも、耳とプラスチック板に挟まれるような形で下段に落ちてV入賞することはあるが、基本的にはポチの家経由でV入賞することが多い。
大当たり後はポチの尾が前後に動く程度で、継続率を大いに高めることはない。しかし、ハズレ玉7カウントか羽根開閉16回後に両耳が上下動&両足が前後に動くようになる。V入賞に重要な両耳の水平になる時間は、通常時にチャッカーに入賞して水平になる時間よりも数倍長いため、よほど玉の寄りが悪い台でない限り、完走率は高い。また、10カウント機とはいえ11個目や12個目の入賞も望めるため、大当たり出玉も多めである。
乱暴で横暴! でもワンダフルな展開に!
昭和から平成前半くらいの頃はパチンコ人気が持続しており、テレビや週刊誌などでもよくパチンコが取り上げられたものだった。ただ、制作側にパチンコに詳しい人が少なかったからか、パチンコ雑誌を編集している編集部には多くの監修依頼や出演依頼、原稿依頼があった。
とある日「パチプロがレポーターとともにホールに入り、優秀台を探して打ち、それをレポーターにも打たせて大当たり」という絵を撮りたいと考えているTV局から依頼があった。
平成2年のとある日、大阪の心斎橋あたりをディレクターにカメラマンにレポーターなど、総勢10名弱の集団でアーケード街を進んでいく。ちょっと恥ずかしい。その道中、初めて撮影内容を聞く。ホールで撮影するという。
「では、ちょっと待機で」。
これからホールと交渉してくるのだとか。まだ撮影ホールが決まっていないの? さすがに大きなカメラを持ってゲリラ撮りはできないだろうから、ホールの許可取りは必須である。ただ、それって少なくとも撮影前に終わらせておくことではないのか。どの業界にもそれなりの「やり方」があるだろうし、こちらは部外者だから静かにタバコをくゆらせながら待っていた。
ADらしき人が説明に来た。
「平成さんを先頭に〇〇さん(レポーターの女性)とホールに入っていただきます。中央奥の(羽根モノの)シマに5台ほどスペースを作ってもらって1台だけ(釘を)アケてもらったので、それを見つけて打って出してください。その後、〇〇さんと代わっていただき、平成さんのアドバイスを受けてまた大当たりさせてください」。
簡単明瞭だが、色々と問題をはらんでいないか?
期待に見事に応える
5台スペースを空けたというが、のちにホール内に入ってわかったのだが、客付き抜群! もしも自分がその5台のどれかに座っていて打ち止めにできるような状態であれば、店員が何を言ってこようが台を明け渡すようなことはしない。もしくは厳しめの条件を付ける。たかがTV撮影のために「どけ」というのは乱暴すぎる。
次に、釘をアケた? 営業中に? 当時はまだ営業中に釘を叩くことはあったし、それをスマホのカメラで撮影してSNSにあげるなんてことは当然なかったから、そこまで驚いたわけではないとはいえ、たかがTV撮影のために「釘をアケろ」というのは横暴すぎる。
そして、優秀台の釘は大股開きだろうからそれを探すのはいいとして、打って出せと? その後、レポーターに打たせてもう一度当てろと。それなりに時間はとってあるのだろうが、言うは易し行うは難しって、知ってる?
ツッコミどころ満載のレクを受けた後、堂々のホール入場。
これがまた奇跡みたいな展開で、まずは簡単に釘の甘い台を発見し、ちょっと行き過ぎてから戻るなどという小賢しい演技を挟んで台を確保。よく鳴く台(当たり前だ)で、運の良いことにすぐにV入賞! レポーターの無邪気な拍手を受け、完走した後に彼女と交代。ストロークを合わせるためにハンドルで手を重ね、ちょっと打つとこれまたすぐにV入賞するという「パチプロがレポーターとともにホールに入り、優秀台を探して打ち、それをレポーターにも打たせて大当たり」という絵が見事に、それも短時間で撮影できたのであった。
『うちのポチⅠ』が好きになった出来事ではあった。
うちのポチシリーズは、SANKYOから2機種、大同から1機種の全3機種構成だ。
うちのポチⅡ | |
羽根開閉時間(落とし、センター) | 0.4秒、0.6秒×2回 |
カウント&最大継続回数 | 10個&8回 |
賞球数 | 5&10 |
うちのポチⅠの賞球違い。役物の動きやタイミングなどは同じ。
うちのポチ | |
羽根開閉時間(落とし、センター) | 0.4秒、0.6秒×2回 |
カウント&最大継続回数 | 10個&8回 |
賞球数 | オール13 |
大同からもうちのポチⅠと同スペックの機種が出ている。