本物と偽物

$700million stunner.Ohtani picks the Dodgers!

物語はここから始まる。更なる偉業を目指して。三冠王。20勝。サイ・ヤング賞。ありとあらゆる栄光が手の中に入るだろう。そして究極の幸せはワールド・シリーズのチャンピオンリングだ。
 

 

左からベッツ、大谷、フリーマン

1番 ムーキー・ベッツ
2番 大谷翔平
3番 フレディ・フリーマン

いずれ劣らぬメジャー屈指の強打者が3人並ぶ。誰も抑えられないだろう。大谷さんおめでとう。これで貴方は敬遠されずに1年間戦える。幸せな162試合は本人の為だけじゃなく、アメリカ、日本、韓国、台湾、中南米全ての人達の為に用意される。来年が楽しみだ。

 

この1か月間くらいはインターネットを開いても、テレビを付けても大谷選手の移籍先話しで大盛り上がりである。特に大々的に取り上げてるのが平日のお昼ごろにやってる「ひるおび」という番組で、MLB通のAKI猪瀬さんがしきりにエンゼルス残留を主張している。この人本当に野球通?なのかと耳を疑うが、彼の言い分は殆ど感情に寄り添ったものばかりで


(1)慣れ親しんだエンゼルス
(2)二刀流を好きにやらせてくれるエンゼルス
(3)大谷を好きにさせてくれるエンゼルス


ということばかり。アホちゃうか?って思いながら聞いてたけど、野球というスポーツをやる上でベストな選択なのかというと必ずしもそうとは思えない。環境に慣れてると言えばドジャースだって同じロザンゼルスだから条件はあまり変わらんと思うし、ドジャースじゃなくても6年も向こうで生活すれば大体の事は分かってるだろう。唯一環境面で不安があるとすれば、USAではなくカナダに移住するってことくらい。これに関しては国境を超える時に何某かの手続きが面倒だということでトロント・ブルージェイズに移籍すれば生じる不安だった。二刀流を好きにやらせてくれる球団しかないと言わせるほど成功したと思うけど、本人の努力でその点の不安はないと思う。あるとすればDHに頼らざるを得ないトラウトやレンドーンを抱えるエンゼルスの方が大谷をDHに固定したくないチーム事情のように思える。何にしろ


レンドーンがいる限りエンゼルスは駄目だろう。


メジャーが好きな人ならそんな事はみんな分かってんだけどね。何故か猪瀬さんだけが分かっていなくて100%LAA残留を主張するものだからおかしなことになる。レンドーンの契約は2026年まであるんで、そこまではエンゼルスには光がない、ポストシーズンもない、無論ワールド・シリーズ制覇なんて有り得ない。レンドーンがいる限り絶対に世界一にはなれないわ。投手陣の補強もできんし、地下に有望な選手もいないしどうしようもないチームだってのは子供でも分かる。


アンソニー・レンドーン(LAA)
マイク・トラウト(LAA)
ジャンカルロ・スタントン(NYY)


不良債権を抱えたチームでプレイすることは考え難かった。


それ以上に私が選手だったらという目線で見ると、打線の中で自分が孤立しない事。これが最も重要だったと思う。次いでワールド・シリーズで勝てること、パークファクター、気候、強いDH打者の有無、資産状況、二刀流起用方法。これくらい。二刀流に対する寛容度とお金に関しては球団の幹部にでも聞かない限り分からないので自分はこの点を予想から外しました。すると


(1)大谷選手が歩かされないこと
(2)ワールド・シリーズで優勝できるチーム
(3)打者寄りのパークファクター
(4)強力なDHがいるかどうか(いればNG)


このようなロジックじゃないでしょうかねえ。すると
ドジャース
レンジャーズ
マリナーズ
フィリーズ


というのが私が予想した球団ですが、最終的に候補に残っていたのが

(1)ドジャース
(2)ブルージェイズ
(3)カブス
(4)ジャイアンツ
(5)エンゼルス
この5球団らしい。

 

この中でエンゼルスとジャイアンツは有り得ないと思ってました。上述の理由でレンドーンがいる限りエンゼルスは無理。ジャイアンツが6年越しの恋人みたいに誘ってたらしいけどジャイアンツを予想した人はまるでMLBのことを知らない素人さん。オラクル・パークは右も左も本塁打がほぼ出ない球場なんで、打者としての大谷の良さは発揮できません。逆にいえば投手としての良さは発揮できるけど、これからのことを考えると投手よりも打者比重が高いことは誰の目にも明らか。今シーズンは44本塁打で本塁打王になりましたが、オラクル・パークで試合をすればというシミュレーションでは今シーズン大谷選手の本塁打は34本でした。このようなパークファクターを大谷とかその代理人が知らないはずがないんで、ジャイアンツは離脱します。そして興味深いことにこの5球団ってのは2017年入団交渉の際に誘っていた球団とダブる事。


(a)ドジャース
(b)カブス
(c)ジャイアンツ
(d)エンゼルス

 

トロント以外は2017年に面談したと言われてる球団です。この頃から大谷、球団双方とも興味があったという事ですが、このうちアメリカン・リーグはエンゼルスだけなのでエンゼルスへの入団は割と簡単に決心がついたと思われます。カブスは中地区の球団です。この10年間で中地区がワールド・シリーズを制覇したのは2015年のカンサスシティ・ロイヤルズと2016年シカゴ・カブス。ですがルール改正により中地区のチームがWSを勝ち切るのは難しくなりました。かつては東、西、中1位プラスワイルドカードの4チームでしたが、今は勝率3位の中地区は毎年ワイルド・カード・シリーズから戦わないといけない状況に追い込まれていますので、大谷が中地区を選ぶとは考え難かったです。


中地区に行くことはないでしょう。

 

消去法でドジャースとブルージェイズだけになりましたが、12345とabcdの共通項はドジャースだけなので、今回はドジャースにお世話になりました。

 

トロントに行っても打線の中で孤立することはないんですけど、アメリカン・リーグの東地区には今年優勝したオリオールズ。2位のレイズ。そしてヤンキース、レッドソックスと戦わなければなりません。5チーム中毎年2位以内に入るのは至難の業ですね。それが故ブルージェイズに行くよりもドジャースに行った方がチャンピオンリングを手にする可能性は高まるでしょう。ドジャース行きの決断は良かったと思いますが、私はFA宣言する前からこの気持ちは既に固まっていたのではないかと思っています。2017年にもできればロサンゼルス・ドジャースに入りたかったでしょうが、当時ナショナル・リーグにはDH制度がなかったので、止むを得ず一時的にエンゼルスに寄り道しただけで


心は6年前から
ドジャースにあったと思う。

 

落ち着くところに落ち着いた今回の移籍ですが、多くの人間が最初からロサンゼルス・ドジャースを予想したと思うし、私の予想が当たったと手放しで喜ぶわけではありません。然しながらテレビ、インターネットで報道され続けてきた残留説を唱えた人たちの思慮の浅さは何なのかと思う。AKI猪瀬さんがどの面さげてテレビに出てくるのか見ものだし、それ以外でも長嶋一茂さんのご意見もお粗末すぎて草。この人本当に元プロ野球選手なのかと疑うほどの浅知恵だったけど、彼が発した言葉の数々はあまりにも酷い。素人丸出しの論調ばかり。論理的な考えによって答えに辿りつこうとすれば


エンゼルス残留など有り得ない。

 

感情とか感覚とか優先のお話し。思考ではなくて「貴方の思い」をネチネチ聞かされても困る。

 

野球選手が1番望むことは試合に出ること。試合に出て自分の能力を発揮すること。レンドーンがいるためにエンゼルスは投手、野手共に補強ができず打線の中で大谷1人が孤立する。トラウトがいても、レンドーンがいても大谷だけが敬遠される。8月23日に大谷選手の怪我が発覚した時点では、私はエンゼルス残留かな?と思っていた。ところが怪我をしたその後も試合に出続けてたけど、そこでの相手ピッチャーのパフォーマンスは信じ難いほどの、大谷翔平徹底マークだった。ストライクなんて投げないし、仮に投げてもコーナー四隅。特に酷いと思ったのは残り試合も少なくなってた時期に対戦したオークランド・アスレチックス戦。既に両チームともPS出場の夢は断たれていたし、特にアスレチックスに関しては今シーズン最初からぶっちぎりの最下位で勝率2割5分のチームですよ。この時ばかりは大谷がホームランを打てる唯一のチャンスと思って期待して見てたんですけど


何!?アレ?


アスレチックスのピッチャーが大谷を警戒しすぎてストライクが入らない。フォアボール連発。しまいには申告敬遠まで。

 

何で最下位のチームが大谷に申告敬遠せねばならんのか訳分らんけど、兎角メジャーのチーム、監督、選手、投手は皆大谷さんと真剣勝負するのが嫌なんだなってことを痛感した。アーロン・ジャッジだってここまで敬遠はされない。コリー・シーガーだってここまで敬遠されない。マット・オルソンだってここまで敬遠されない。何で大谷だけが酷い目に逢うのかなと思うけど、それもこれもエンゼルスの打線が不甲斐ないから。打線の中で大谷以外に脅威を感じる打者がひとりもいないので大谷だけを歩かせれば、エンゼルス戦は事なきを得る。例え最下位のチームであっても大谷に打たれて負けるのが嫌なんだと。

 

実感した。
大谷はこのチームを去ると。

 

という事で8月末時点で大谷選手は絶対にエンゼルスには残らないと思ったけど、それ以降もエンゼルス残留を主張したAKI猪瀬さんとか長嶋一茂さんは見てないんやろうね。大谷さんの試合を。見てたら絶対そんなこと言わんと思うんだけど、彼等の感情と感覚に振り回された視聴者も多分被害者だと思う。本物を見る目を養わなイカンよね、野球もパチンコも。

来年も大谷翔平便りを数多くお届けするつもり。

私の記事が本物かどうかご確認くださいませ。

 

 

さあこれが来年から彼の住みかとなるドジャースタジアムです。見たところフェンスも低いし大谷さんが本塁打を打つのにそれほど問題はなさそう。
 

 

メジャーでは滅多にお目にかかれない左右対称形球場です。カリフォルニアの乾いた風が大谷さんの打球を右に左にセンターにと運んでくれる。ナイターでは湿度が上がるらしいけど、デーゲームなら今まで通りバッチリズム。朝起きたら「おはようございます」のホームランで目が覚める。そんな日が来るのが待ち遠しい。今回の騒動では随分と色んな人が好き勝手言いながらテレビに出てましたけど、まともな事を喋ってくれたのは極僅か?適当なことばっかり言ってた人達に比べると、私が書いた「アナハイムからの使者」2023年10月2日投稿を今一度読んで頂けませんかね。そこで書いた内容の方が識者の意見よりもよっぽどマシ。ドジャース移籍をピタリと当てておりますが、野球に関する予想で私が的を外したことが今までにありますか?


ないでしょう。


今回の契約では7億ドルという途方もない数字が話題になってます。私が思ってたよりもかなり大きい金額ですけど、契約内容に関して2つほど注目すべき点がございます。まずひとつには7億ドル。日本円で10年で1000億円なのですが、そのうちの多くを後払いにしたということ。これは大谷側からの提案らしいですが、とても素晴らしいこと。230M$以上で贅沢税引っ掛かりますが、大谷に年払い70M$だと全体の3割をひとりで〆ることになる。70Mのうち6割を後払いなら28/230M$となりチームへの負担は随分と軽くなる。例えばエンゼルスでは現状トラウトとレンドーンの2人だけで70M$だからこの二人で70/230M$を占拠することになり、エンゼルスは十分な補強ができなかった。もうひとつはオプト・アウトを契約に盛り込まなかったこと。意外でしたが、オプト・アウトしないということは、契約の途中で他チームへの移籍が認められないという事。これはドジャースにとっては天にも昇るような契約ですが、大谷自身ここで骨を埋めるという決意の表れ。結果が出ても出なくても言い逃れできない契約内容なので今後10年間はドジャースひと筋。ということはメジャー最後の球団をドジャースにしたってことなので彼が如何にして契約を結んだかの思いを知る事になりました。素晴らしいです。


贅沢税:チーム総年棒が230M$(2.3億$)を超えるとチームがMLBに税金を支払う事になっている。
大谷の契約:10年で700M$(7億$)⇒年単位では0.7億$、日本円で105億円
このうち6割を後払いにすれば⇒年単位では0.28億$
日本円にするとチーム総年棒が345億円を超えると贅沢税対象。大谷後払いで42億円占拠しても残りの303億円は他の選手の年俸に充てられるのでチームとしては戦いやすくなる。引退後に毎年63億円を手にする生活って考えられないけど素晴らしい。今はCMだけで毎年50億円は稼ぐから球団からの給料はあまり多くを必要としていない。彼らしい発想だと思う。


最後に興味深い数字です。
 

これががナ・リーグでHRを量産できる左バッターの成績です。キャリア全成績とオラクル・パークだけの比較。オラクル・パークが本塁打を打つのに如何に厳しいかが分かって頂けるはず。本塁打に関しては極めて高い能力をもつこの4人でさえオラクル主催ゲームでは22打数に1本しか打ててません。識者ならばこの程度の数字を示して論じて頂かないと困ります。他の球場に比べてオラクルでは3割ダウンです。
 

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