江川卓

2019年の夏。勝てば甲子園出場が決まる試合で、大船渡高校の国保監督はエースの佐々木投手を登板させませんでした。この判断は当時プロ野球OBからは辛辣な意見しか出ませんでしたけど当時


国保監督
専門医師
佐々木投手


は三位一体となっていて常に医師の判断を仰ぎながら、佐々木投手の成長を見守るということで当日の登板を見送り。この頃の佐々木青年は、普通なら成長が止まってるはずの「骨」がまだまだ成長過程段階にあり、無理をして速い球を投げれば肩が壊れるというリスクと隣り合わせという状況だったらしいです。そのような裏事情を知らない人たちがこぞって本人及び監督を非難するものですから、この頃から佐々木投手には「負」のイメージが付きまとっていたかと思います。骨の成長が完全に停止してから165km/hの真っ直ぐが投げられるということは大抵の人には分からないことなので


国保監督
専門医師
佐々木投手


この三者が相談して決めた事ならば当時の判断は100%正しいと思います。


ドラフト4球団競合でロッテがクジを引き当てた時、国保監督は胸を撫で下ろしたそうですが、吉井監督(当時はコーチ)が付いてるのであれば、現状をよく理解してくれるだろうし、高出力によるリスクと隣り合わせの佐々木投手を怪我させることなくプロ野球選手として育てることができる稀有な存在。165km/hの真っ直ぐを投げるだけで怪我のリスクが非常に高くなる佐々木投手の運命は導かれるようにして


吉井理人に巡り合えた。

 

大谷翔平が導かれるようにして、栗山英樹に出会ったように。佐々木朗希は導かれるようにして吉井理人に出会った。


従ってプロ入りしてからの過保護ともいえる扱いも、年間規定投球回数に満たない投球制限も、全ては彼がメジャーで大きな花を咲かせるためのプロローグに過ぎない。佐々木投手の周りには常に、指導者と医師がセットになって彼の肩と肘を見守っていた。そうしなければ肩を壊すほど出力が大きい。だから佐々木投手はこれまで


(1)シーズンを通して働いていない。
(2)規定投球回数に達したことがない。
(3)チームを日本一に導いていない。
(4)日本ではやることがなくなるほど成果を出していない。


だから彼はメジャーに行くべではないという論調は的外れな意見だと思う。


医師と指導者と本人と三人四脚でなければ、大きな怪我を引き起こす環境にあったればこその野球人生なんで決して手を抜いていた訳ではない。彼が本当の野球人生の道を歩むのはこれからだ。心も体も強く、大きくなって1年間働けばどれほどの成果をもたらすのかは底知れぬ期待感がある。


勿論25歳になる前に海を渡ればロッテ球団が被る痛手はよく分かるので、経済的な側面から見ると彼の人生はわがままだと思うけど、23歳の若造がわがままを言って何が悪いとも思う。こういうのは入団するときによく話し合いをしておけば良かろう。経済的な理由で25歳まではポスティングを認めない⇒ならばその球団には入らずにルーキーリーグからメジャー昇格を目指す。いやいやそれでは元も子もないから


(1)5年でポスティングを容認する。
(2)7年でポスティングを容認する。


どっちを是とするかを最初から球団と選手の間で契約を結べば良かろう。最初から決めておけばわがままではなくなる。

 

今回のロッテ球団の大人の容認に関しては、圧倒的に佐々木選手のわがままを許すまじという意見が多いけれど、私はそうは思わない。5年でポスティングでメジャーに行けば契約した時は23歳であっても、その年は24歳イヤーだから30歳までに7年間の猶予がある。これがあと2年遅らせると5年の猶予しかない。この頃のプロ野球選手にとっての2年間はことのほか大きいと思う。大谷選手がポスティングで移籍したのも契約時は23歳で実際にエンゼルスでやってた時に24歳に到達しています。彼があと2年遅らせていれば、今の大ブレークは


ないとは言わんけどだいぶ劣化したはずだ。


2018年二刀流のち手術
2019年指名打者のみの380打数
2020年コロナで棒に振る





これが2年間遅らせていれば、コロナウィルスから始まるので彼が二刀流で活躍できたかどうかも疑わしい。


26歳イヤーでエンゼルスでやろうとしたけれど、その年はコロナウィルスで60試合しか組まれなかったから、色々と試すことはできず、メジャーの打者にも慣れず、メジャーの投手にも慣れずブレークはだいぶ先。だから今の大活躍する姿はもしかしたらなかったかも知れんというほど、この2年間は大きかった。だから佐々木投手もこの歳でいくべきとは思いますがね。彼が本当に世界イチのピッチャーになるんだったら


24歳イヤーで海を渡って29歳までに6年間を過ごすこと。






これはとても重要なことなのです。ただし、その為にロッテという球団の利益を損なって良いのか?となると話は別。

 

今年の彼のわがままを見ていると、46年前の江川事件の事を思い出す。その時の江川卓と同じだとは言わないけれど、ほんのちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、共通点があるなあって思いながら一連の成り行きを見ていました。結局南極、日本人というものはゴネればゴネただけ得をする。誰もが其れはいけないでしょ?って思ってる事でも、選手が球団に対してゴネれば最終的には選手寄りの決着がついて、グレーな成功報酬をもたらしてしまう。これが日本社会の悪い点なのか?日本人の弱さなのか?


あの時も巨人だけじゃなく江川本人の責任も大きい。

巨人に行きたい行きたい。巨人しか行きたくない。

メジャーに行きたい行きたい。メジャーにしか行きたくない。

 

空白の1日を思いついたのは読売かも知れんけど、其れに乗っかったのは本人。あの時も阪神が大人の対応をしなければ、江川の巨人入りはなかったけれど、阪神サイドからしてみれば、万が一江川がゴネて阪神入りを拒絶してもう1年浪人生活をすれば阪神タイガースとしては何も得るものがないから妥協した。本当は江川卓に入団して欲しかったけど、巨人がエースの小林繁をくれるというので


江川は一旦は阪神タイガースに入団し
その後小林繁と江川卓のトレードが成立し
江川は巨人に入り、小林は阪神に入る。

 

この年の小林繁はマウンド上で鬼気迫るモノがあった。シーズン通して22勝9敗、ERA2.89はキャリア・ハイだけど、其れ以上に凄かったのは対巨人戦だけで8勝ですよ。王も、張本も、柳田もいた時代だけどあの時の小林繁を巨人打線は打てなかった。巨人にだけは負けへんでっていう男気がテレビ観てても伝わってきたけど


一方の江川卓はその年9勝10敗、ERA2.80


巨人ファンとしてはあれだけ世間を騒がせてこれでは。江川よりも小林を残した方が良かったんちゃあうんかいって思った程、その年の小林繁は活躍したけれど江川はイマイチやったね。この年の江川デビュー戦は後楽園球場の阪神戦。途中までは好投してたけど試合の終盤でラインバックに3ラン打たれて逆転負け。これだったら本当に江川より小林の方がって思ったよ。


だからそうやって


ゴネてゴネてゴネまくった選手にはどうしても、負の遺産が付きまとう。結局江川はたった9年間で引退して中途半端な成績で終わるんですけど此度の佐々木投手にもこれからは、ゴネまくった選手としてのネガティブイメージは付きまとうと思う。江川と佐々木が同じとは言わんけど、ネガティブイメージという点は似た者同士だからこれからの彼の人生は険しいだろう。其れを乗り越えられる成績を残すのか、それとも中途半端な選手で終わるのかは注意深く見ていくけれど、世界イチのピッチャーになりたいと言って、23歳で海を渡るのだから其れなりの覚悟をもってやって頂きたい。

 

メジャーで駄目なら日本で拾ってくれる球団は考えにくい。

 

結局彼の人生はボクの人生じゃあないんで、彼がこの先どこの球団を選ぼうが構わんけど最初の3年間で死に物狂いで投げないと6年で野球人生が終わる。この前の記事で私は佐々木投手のドジャース入りを予想したけど、今回はあまり根拠がない。いやドジャースに行けば大谷もいるし山本もいるし、通訳はしっかりしてるし、環境面では最高の物を用意してくれると思うけど。日本人ばかりが西海岸に行くのは不公平という気持ちは僕にもあるし、向こうの人達にもあると思う。だから本音を言えばドジャース以外の球団に入るのもちょっと興味がある。


佐々木さんを
擁護するのか、非難するのか
ドジャースに入って欲しいのか欲しくないのか


何だかよく分からん記事になってしまいましたけど。

この前書いた記事とは裏腹に、彼が西ではなくて東を選んだら男気を感じる。特に
(1)ニューヨーク・ヤンキース
(2)フィラデルフィラ・フィリーズ
(3)アトランタ・ブレーブス

この3球団を選んだら本物。男気を感じる。








男気を見せるのか。安住の地を求めるのかは分からない。

江川卓のように

ゴネまくった男に未来はない。

其れを跳ね返す力があるのだろうか?

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