判官びいき

メジャー・リーグが盛り上がってきました。開幕当初は一平さんの話題もちきりでちょっと触れてはならん雰囲気があったんですけど、もうそろそろ大谷さんの話題についても書いていくことにしましょうかね。もう大谷の話はお腹一杯って人が殆どだと思うけど、私が書く文章は他の人とはちょっと目線が違うので


meとherとは違います。


連日のように大谷の成績がSNSとかMSNの一面を飾りますが、そのような記事は金目当ての内容が殆どであり、大谷の記事を書けばお金になる。読んでもらえる、アクセス回数が上がるという理由で書いてるだけで内容は殆どクソです。だからこそ大谷の記事はもうええてとなるのですが、私は決して金目当てではないので安心して読んで欲しいです。


開幕して36試合が経過しました。


今年のトピックスは何といっても投手の怪我に依る戦列離脱。各チームのエース級のピッチャーが悉く怪我をしてしまったのでチームの成績にも多大な影響を及ぼしてます。

<NL>
ブレーブス ストライダー(剛球・奪三振KO)
マーリンズ アルカンタラ(剛球・サイヤング投手)
メッツ 千賀(お化けフォーク)
ドジャース カーショー(200勝投手)

<AL>
アストロズ バーランダー(サイヤング投手)
アストロズ バルディス(制球)
ヤンキース コール(剛球)
レイズ マクラナハン(剛球)

 

ぱっと思いつくだけでこれだけのエース級ピッチャーが戦列離脱してるので、今年のMLBは去年までとはちょっと違う感じ。メッツ、マーリンズは去年もぱっとしませんでしたけど、今年はそれに輪をかけたように。特にマーリンズの弱さは際立ってます。アメリカンリーグでも去年強さを発揮したレイズとアストロズが大苦戦です。特にアストロズ打線は去年通り爆発力あるんですけど、投手の防御率が4.75とボロボロでこの時期に最下位に甘んじるとは思いもよらぬことでした。アストロズは去年くらいから王者脱落の感があるけど、それにしてもバルディスの怪我は痛かったですね。

 

このように投手が怪我して離脱するのはピッチ・クロックの影響あるような気がしますけど、MLBは頑なにそれとの因果関係を否定しておりますのでまだまだ予断を許しませんが、ピッチ・クロックはダメな気がしますね。野球本来の楽しみを損なうのではないかと危惧しています。やはり野球は投手と打者との駆け引きが醍醐味。それが損なわれると野球本来の姿を失うと思います。

 

それと今年は本塁打が出ませんねえ。


2021年からMLBは反発係数の小さいボールをしきりに謳ってましたが、実際に

2021年は飛ぶボール
2022年は飛ばないボール
2023年は飛ぶボール
2024年は飛ばないボール

のような気がするんですがね。今年の低空飛行は異常です。


特に深刻なのがブレーブスの面々
マット・オルソン54⇒現3本
アクーニャ 41⇒現2本
マルセル・オズナ40⇒現10本
オースティン・ライリー37⇒現3本
オジー・アルビーズ33⇒現2本


ブレーブスはまだ32試合消化といってもこれを5倍した数字が去年の成績なので、オルソン、アクーニャ、ライリー、アルビーズの本塁打数は異常なくらい少ないですね。去年の半分以下のペースしか打てていないので今年は飛ばないボールなのかなと疑っております。韓国の開幕戦での試合を観たときに初戦で大谷が放った3本のライトフライは本塁打になってもおかしくない打球だったけど、いずれもフェンス手前で失速しましたけれどアレを観た時ちょっとだけ疑いました。ブレーブスに関して、同じチームでやってるメンバーが5人ホームラン打者がいて5人とも不調というのはおかしい。


オルソン、アクーニャ、オズナ、ライリー、アルビーズこの5人で

去年は205本塁打(162試合)⇒これが現20本
これを5倍しても100本。半分ですよ。

 

何となく飛ばないボールの匂いがしてきましたけど、こういうのは公式発表しないので想像でしかありませんが、毎年MLBを観てる身としては何かしらの疑いを持つことは結構あります。飛ばないボールでの大谷さんの本塁打王はあるのでしょうか?

 

ここまでの成績で大谷選手の成績がこっぴどく言われることもありました。それは

得点圏打率の低さですね。


得点圏打率というのは、打数が少ないので毎年大幅に変動があるものです。阪神の梅野が得点圏打率が異常に高い年があって彼は勝負強いと言われましたが、翌年には得点圏の打率は2割程度まで落ちたんで眉唾ものでした。このように得点圏打率は結果論であることが多く、私はあまり意識しておりません。本当に勝負強いバッターなんているのでしょうか?アテにならんですね。ただ大谷選手の場合は、常にフルスイングなのでベッツやフリーマンのようにコンタクトする力はそれほど高くない。その辺が文句言われてるところでしょうが、ハードヒッターがコンタクト率高かったらおかしいしこれに関してはジャッジもトラウトもそれほど得点圏では打てていない思います。


常にフルスイングするので3塁走者を返す打撃には向いていない。


NYY時代の松井秀喜は勝負強いクラッチヒッターだと言われましたが、彼もまた巨人時代にはチャンスでは打てませんでした。点が入りそうな場面では悉く歩かされるし、歩かせないのであれば松井キラーの左投手をぶつけてくるから。結局こういうのは誰に打たれるのが1番嫌なのかによっても変わってくるんですよ。ベッツが塁に出た5回以降は大谷の場面で悉く左投手に交代するように思います。得点圏に走者がいる時には歩かせるか左をぶつけてくる。だから得点圏打率が上がり難いってことは言えますね。松井がヤンキースに入った時本塁打が打てずに苦しんで、彼はホームラン打者になることを捨てて打点を稼ぐ打者に変わったというのは有名な話です。前を打つバッターが本塁打を量産し、歩かされるために松井は得点圏での打席を意識した。常にフルスイングするような打撃なら支持されるほどチャンスで打てなかったんじゃないかと思いますけど、追い込まれるとコンタクトする打撃を意識する。ヤンキース時代の松井秀喜は


ノーアウトで走者3塁(1,3塁、2,3塁、満塁含む)
ワンアウトで走者3塁(1,3塁、2,3塁、満塁含む)
この場面で156回中112回は得点に成功したという記事を読みました。
1968年の統計を取り始めて以来最も成功率が高いバッターでした。

112/156⇒71.8%成功


これは常にフルスイングをしてたらできなかったと思いますが、大谷選手はハードヒッターなので、そこを求められても無理でしょう。

走者を返すバッターとハードヒッターとでは役割が違うものです。

 

ここで興味深い数字。得点圏で大谷が打席に入ると5回以降なら悉く左に代えられると言いました。なら左投手と右投手とではどれくらい成績が違うのか興味ありませんか?当然左バッターは左投手と対戦する方が投手の投げる軌道が見えずらいので打率は下がります。問題はどれくら違うかってことですが


これはキャリアの数字です。2018年以来毎年のように左投手と対戦した時の方が数字は落ちますね。通算でも

右が0.289に対して左が0.258

打率、打点、本塁打共に下落してますが特にHR率に関してはかなり差があります。

右が13打数に1本塁打。左が18打数に1本塁打。


これが試合の後半、得点圏に走者を置いた場合悉く左投手をぶつけてくるわけですよ。


これから先も大谷選手は得点圏での打率は厳しいものになりそうだというのは分るかと思います。
 

 

一方で得点圏と非得点圏打率の差もご紹介します。


去年までは殆ど得点圏の方が打率が高いです。ホームランも良く出ています。決して勝負弱い打者ではないってことが分ると思いますが、こうして数字を並べてみるとすごくよく分かると思います。1年目に得点圏打率が異常に高いのは、多分殆ど警戒されてなかったんで大谷の打席で左投手に替えるってことが殆どなかったんではないかと思います。2022年は勝負強い年ですが、この年は大谷の本塁打は34本と激減し、トラウトが40本塁打した年。警戒が分散するとよく打てるけど、警戒が大谷ひとりになると打てなくなるってこともこの統計データから読み取ることができます。


通算で
得点圏打率は0.291⇒そうでない時0.276
得点圏HR率12.5打数に1本⇒そうでない時15.17打数に1本


決して得点圏で打ててない訳じゃないんで、ご安心ください。もうちょっと数字は上がってくると思います。

 

左対右の違い。得点圏と非得点圏の違い。


チーム事情により、相手が誰に1番打たれたくないかを示す指標でもあります。得点圏打率が通常時より低いという事は、最も警戒されているという事でもあると知って頂きたいのです。


チームの中で1番怖いバッターというのは得点圏打率が低くなりがちです。


これは決して判官びいきではありません。

MLBの公式サイトを深堀するとこのような画面に辿り着けます。年単位で比較した数字をエクセルに打ち込んで保存しています。

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