業界の予測~Reader Request

管理遊技機の発売が迫ってる状況で、この業界の先行きを予測するのは非常に困難なのですが、私なりの見解を示しておきましょう。今のパチンコは明らかにおかしい方向に舵を切っています。爆裂機はもう作れないだろうと落胆したホール関係者の予想を裏切るような遊技機の開発がどうして可能になったのか?物事の解釈次第では、なんとでもなるという現実を突きつけられた格好ですが、時速何万発をうたい文句にするパチンコとは真逆にスロは6号機になってパッタリ。過去を振り返ってみてもパチンコだけが優遇されて、パチスロはさっぱりということはなかったし仮にあったとしても長続きしなかったので今後パチンコの遊技機開発に関しては色々と規制が入ると思います。


元々2017年のパブリックコメント
2018年の規則改正

 

ゆき過ぎた射幸によりギャンブル依存症になる人が増えすぎたからこれを見直すというのが本筋でした。

16R⇒10へ抑制(2240個⇒1400個)
短時間テストによる出玉上限の規制
長時間テストによる出玉上限の規制


これによりまして、パチンコは緩やかなギャンブル性を持つ遊技機として生まれ変わり、ギャンブル依存症に陥る人を減らせる。当時はギャンブル依存症患者⇒パチンコ依存症と認識されていた風潮もあり、パチンコに対する風当たりを弱めるという狙いもあったかと思います。カジノが公然と認められるという時代になり、ギャンブルはカジノ。パチンコ・パチスロは娯楽としての役割を担うことが望ましいと考えられたのでしょう。

 

(1)2018年に規則改正⇒出玉の削減
(2)2019年に内規改正⇒通常ベース確保を撤廃。代わりに確変65%を撤廃。

 

(1)は兎も角として、(2)の内規改正が大きく時代を動かしたように思いますね。今にしてみれば、(2)の65%撤廃はやめて頂きたかったですが、65に拘るため機械作りが窮屈になるという遊技機メーカーの思惑と、ならばヘソ賞球1個にして儲かる機械にしてよというパチンコホールの思惑が合致して今のようなもの作りが主流になったように思いますが、ベースを殺して出玉に寄せるという考え方は非常に危険。ギャンブル依存症を減らすのが目的で規則を変えたのに、結果的にはギャンブル依存症患者を減らすどころか増やすものつくり。本末転倒ですね。

 

今のような低ベースの機械開発がこのまま続くとは思えないですね。

 

ヘソの賞球は遊技機の射幸性能に応じて1~4個の間で変化するように思います。今は爆裂機が主流の時代だからヘソ1でも納得してカネを入れてくれるかもしれないけれど、爆裂機に規制が入って出玉の威力に魅力がなくなれば賞球1の機械など誰も打たなくなるだろうから、そうすればまたぞろ賞球を増やしてベースをという考えも出てくるでしょう。推測でしかありませんが、賞球とかベースを考えるときの基準は、客が遊技機を弾いてくれるか否か。特賞の払い出しに魅力を感じなければ、通常時のベースを上げて客のサイフを支配し続けるというのが本筋だと思います。

 


管理遊技機以降の時代がなかなか読めません。

 

フィーバー機が登場したのは1980年頃だったと思いますが、それから10年経ってCRユニットというものが考案されました。この機械が普及したのは1993年以降ですが2021年に終焉となります。その後はP機一択で今日に至りますが、P機の時代はそう長くは続かずにすぐに管理遊技機の時代になるでしょう。現金機が廃れCRに代わったのと同じように、時代が変わろうとするときは短期間で一気に変わります。管理遊技機の時代になると、劇的に変化することがいくつかあるんです。


(1)釘調整の消滅。遊技釘自体の消滅
(2)遊技機の外部取り付け飾りの消滅
(3)島設備の消滅

 


一番危惧していることは(1)の釘に関することでしょうけど、筆者は釘調整はなくならないんじゃないかと思ってるんです。何故ならば、イベントと称して集客するためには、パチンコで目に見える還元を訴求した方が打ち手にとっての欲望を掻き立てるということがひとつ。もうひとつはパチスロは元々物理的な条件によって勝敗が決まる可能性はゼロですけど、パチンコってのはそうじゃない。物理的条件が勝ち負けを左右する大きな要因になっていて、確率以外で利益を確保できることはお店にとって有り難いから。目に見えるからこそ、客を騙すのに都合が良い。勿論見えてる客と見えてない客とでは、勝率が変わるから全ての人に公平にはならないけれど、店が客を騙すためには釘調整は店にとって都合が良い。とはいううものの、本当に釘調整がなくなってしまう可能性もあるので、その辺のところも考えておかねばなりませぬがその時こそ私が書いてきた物理的謎解きが生きるのです。釘を大きく動かして出玉率を調整することはないけれど、釘がなくなったとしてもスタート率は台によって個体差は出るでしょう。その個体差の原因は何か?突き詰めると今後の課題はその辺になりそうです。

 


(2)は馬鹿でかい筐体に関すること。キバの頭やエヴァの初号機などは迷惑甚だしいけれど、今のP機では一向になくならないと思う。ところが管理遊技機が主流になると、外枠は全メーカー共通にしようぜっていう可能性もあるので、筐体の外部に取り付けられた馬鹿でかい機材はダメなんじゃないかと思う。外枠が共通で中身だけを入替えるのであれば、遊技機本体の価格は大幅に下落するだろうから、業界は良い方向に向かう。管理遊技機が上手く機能すれば業界に活気が戻る可能性はありますね。

 

(3)は明らかに島屋にとっての危機。竹屋、エース電研は存続するのが難しいように思うけれど、遊技機をテレビ台の上に置くのと同じ感覚でパチンコホールを作れるようになるので画期的に店作りが変わります。そうなれば、現行のP機は全て消滅するので今パチンコホール内で幅を利かせている、エヴァンゲリオンやリゼロや海物語などはまたいちから商品開発をしなおしです。海は既に出来上がった商品だけど、それ以外はP機になってたまたま当った商品なので、管理遊技機になっても同じように売れるとは限らないでしょう。

 

いずれにしても需要の先食いとかチキンレースってことはない思う。チキンレースという意味が私にはちょっと理解できんのですが、言葉の本来の意味は臆病かどうかを試すレース。多分勝者にならんとして、最後まで出玉を競い合う遊技機開発をやるってことなんでしょうけどどこかで規制が入るから、チキンになる前に制裁があると思います。需要を食うか食わんかに関しては、年寄りばかりで先がないパチンコ需要に一石を投じるのが、新しい版権であったり、新しいスペックだったりするのでリゼロとか天才バカボンのように、今までなかった遊技機の開発が需要の創造に貢献してると思います。特1で即2800個以上が確定する仕組みとか、小当りRUSHを使った遊技機開発なんてのは、今までパチに興味が沸かなかった人達を取り込むのに良い遊技機だと思います。

 

パチンコメーカーに勤務していた目線

元業界人としての意見を書いておきましょう。業界人といっても、雑誌とかWEB媒体のように薄っぺらい団体にいたのではなくて、れっきとした遊技機、島設備メーカーにいた身なのでちょっとはこの世界のことが分かってるつもりです。機械開発に対して、「期待します」ということを軽々しく口にする輩が多いので釘を刺しておきます。


遊技機の開発には
ひとかけらの望みもありません。


機械開発に勤める人にとってのお客は店であり、客ではありません。客を如何にして騙せるかということに機械の存亡がかかっています。昔私が勤務していた会社の機械開発に携わる人達は、こぞって「如何にして客を騙すか」を考えていました。毎日毎日、来る日も来る日も彼等が何をやっていたかというと、どれだけ出玉を少なくしても遊技に耐えられるかの検証。T1Yが1600個、1700個あった時代にあって、どこまで減らしても遊技に耐えられるかの検証。こんなことばっかりやってる機械開発の人達を見てあきれ果てたのは私。


他にやることないんか?


機械を売るために他にやることないんか?


機械開発の人達にとって、店の利益は大事だけど、客の懐は大事ではない。

 


いずれにせよ


管理遊技機が始まらないと。管理遊技機が世に登場して1年くらい経過しないと先は読めません。


従って、本日は現段階での私的見解を書いておきます。
 

コメント

  1. 村上亀吉より:

    ゴーニィ様

    ツイでは短文投稿との事でしたが、詳細かつ丁重なお返事を頂き、有難うございました

    パチ・スロ共にメーカー・ホール・行政の思惑・世論が入り乱れ、遊戯規則の改正と抜け穴を探る攻防?と緩和が延々繰り返された挙げ句に管理遊戯機の登場

    遊戯台全てが管理型になるのか、共存(暫定or永続的)になるのか私には分かりかねますが、長らくパチンコの設定=調整と思っていた私には、管理型パチンコのスランプグラフや画面上の設定示唆ばかり追い掛けるのは辛そうです


    疑問を含め、色々書きたかったのですが久しぶりに本業に全力稼働で疲れ果ててしまい、まとめられず失礼しました

    どうもありがとうございました



     

    2022年4月29日 AM 7:41
  2. ゴーニィ より:

    村上亀吉様

    管理遊技機になってからの運用方法を色々と考えてた時期でもあったので、丁度良いタイミングでリクエストを頂いたと思っております。何せ私は文章を書くことが好きなので、あれやこれやと質問されると真面目にお答えせずにはいられない性分です。

    どれだけ質問して頂いても構いません。

    毎回コメントして頂きたいくらいです。


    仕事でお疲れのようですね。一区切りついたら、疑問点をまた整理して書いていただけると嬉しいです。

    2022年4月29日 PM 9:39

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