パチスロ5号機の歴史(その7)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
▼前回の特集記事はコチラ
●パチスロ5号機の歴史(その1)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
http://www.pachinkovillage.com/news/?p=46474
●パチスロ5号機の歴史(その2)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
http://www.pachinkovillage.com/news/?p=47374
●パチスロ5号機の歴史(その3)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
http://www.pachinkovillage.com/news/?p=49514
●パチスロ5号機の歴史(その4)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
http://www.pachinkovillage.com/news/?p=51478
●パチスロ5号機の歴史(その5)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
http://www.pachinkovillage.com/news/?p=54042
●パチスロ5号機の歴史(その6)~もうすぐ終わる!? 5号機時代~
http://www.pachinkovillage.com/news/?p=56995
2008年の押し順ART機の登場によって、目押し要らずの簡単プレイが可能になったことはプレイヤーの裾野を広げる一因にもなりました。
そして、マイスロなど携帯連動サイトによる稼働促進もあってパチスロ業界はさらなる盛り上がりを見せます。
(C)2005 BONES / Project EUREKA・MBS (C)Sammy (C)2009 NBGI
2009年9月に登場したこの機種がパチスロ人気の復活を決定付けます。
原作のTVアニメは日曜の朝7時という大人には厳しい時間帯に放送されたものでした。
放送開始は2005年で全50話。
周りでもリアルタイムで見ていたという人はいませんでした。
僕もそうですが、パチスロを打ってから興味を持ちアニメを見たという人はきっと多いでしょう。
さて、そんな本機は、第3のボーナスと呼ばれるART「コーラリアンモード」を搭載したボーナス+ARTのタイプで、ARTは1セット50Gのセット連チャン型。
ARTの1G純増は約1.5枚と、この手のボーナス+ARTのタイプではバランスがいいと言われる純増枚数です。
ART搭載機というと波が荒い印象がありますが、この機種めっちゃ穏やかだったんですよね。
設定1は出率的には98%と99%の間くらいとまぁちょっと甘い程度なんですが、小刻みな上下動を繰り返すだけで大負けしにくい。
懐に優しい機種。
そんなイメージです。
それに加え、オープニングソングにエウレカを流すホールが当時多かったりと、人気もあってか設定状況も良かった印象です。
ただ、高設定を掴んでもダラダラした地味~な展開になることも。
我慢に我慢を重ね、ビッグウェーブの訪れを待つ忍耐力が試される機種でもありました。
それでも、どこからでもARTへの突入が期待できるため間延びした感じもなく、ロングフリーズやRB中の押し順当てなど猛爆のトリガーもあったためハマったときの瞬発力はありました。
まさにこの言葉がピッタリでした。
個人的には、中段チェリーのサプライズも大好きでした。
演出がなく気を抜いてるところで、なぜか止まっている中段チェリー。
ほとんどの機種は、レバーON時に液晶演出や予告音で期待感を煽ってある程度覚悟させてから衝撃出目を停止させますが、このエウレカは演出なしでズドン。
そりゃあ、最初見たときは衝撃的でした。
液晶のない時代やそれ以前の予告音すらない時代ならまだしも、ゴリゴリの演出過多時代においてこんな見せ方をするなんて誰が想像するでしょう。
その後もエウレカシリーズは2、AOと登場しますが、この部分はやはり受け継がれていきます。
この機種のキャッチコピーは「あきらめないスペック、ゆずれない演出」。
どちらも納得です。
(C)HUDSON SOFT (C)RED
エウレカ登場の1ヵ月前。新しいゲーム性を持った機種が登場しています。
システムはボーナス+ARTのタイプで、ART契機としてゲーム数解除がありました。
4号機時代のストック機を彷彿とさせるこのゲーム数解除。
内部的に規定ゲーム数を消化するとARTに当選するというもので、通常モードA、通常モードB、天国モードの3種類が存在し、天国モードなら128G以内のARTが確定します。
今では当たり前にあるテーブル方式ですが、特定ゲーム数を狙うゾーン狙いなど当時忘れている人が多く、あるいはそもそも5号機から打ち始めてゾーン狙いなんてものを知らない人が多かったのか、美味しいゾーン手前でヤメられてる台は結構ありました。
昨今、『パチスロ 聖闘士星矢 海皇覚醒』や『パチスロ 笑ゥせぇるすまん3 ~笑撃のドーン~』など注目を集める三洋物産ですが、当時から他メーカーとはちょっと違うテイストを醸し出していました。
パチンコの海だけじゃないんだからね、三洋は!
(C)田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー メカニックコンセプチュアルデザイン 加藤直之
2009年9月に登場した
は衝撃的な機能を搭載していました。「セブンラッシュ」です。
ATやARTの名称が○○タイムから○○ラッシュにいつから変わったのかはよく覚えていませんが、このセブンラッシュはそんなラッシュの名にふさわしい連打感があります。
タイプはボーナス+ARTで、ART「銀河ラッシュ」開始時はセブンラッシュからスタート。
セブンラッシュ中は押し順ナビに従うだけで7が勝手に揃い、その都度ARTゲーム数を上乗せ。
目押し不要で7がガンガン揃うその様は圧巻です。
今ではゲーム数を獲得する上乗せ特化ゾーンは当たり前に存在しますが、このセブンラッシュがその走りだったように思えます。
(C)2009 BELLCO CORPORATION
2009年11月にリリースされた
では懐かしいシステムが搭載されていました。それが吸い込み方式です。
1988年の2号機登場以前は、この吸い込み方式が存在しました。
その大まかな仕組みは、ボーナス内部当選→メダルの吸い込み枚数決定→規定枚数吸い込む→ボーナス当選となる流れで、ランダム性に欠けプレイヤー間に不公平さが生じるなどの理由で禁止となりました。
5号機のこの機種は吸い込み方式でボーナスが出てくるというわけではなく、吸い込み枚数を軸とした周期抽選がARTの契機となっています。
吸い込み枚数は最低1枚、最高260枚。260枚が選択されることが半数以上が占め、平均100G程度で周期に到達。周期に到達すれば3G連続でデジタル演出が発生し、デジタルが揃えばARTへと突入です。
この周期到達による演出の煽りは、その後登場する『スーパービンゴNEO』や『プレミアムビンゴ』にも受け継がれていきます。
(C)UNIVERSAL ENTERTAINMENT
(C)山田風太郎・せがわまさき・講談社/GONZO
2009年12月にはあの名シリーズの初代が登場しました。
今も絶賛高稼働中の『バジリスク~甲賀忍法貼~絆』の1作目にあたる作品です。
ボーナス+ARTのタイプで、軽めのボーナスを契機にARTへと突入します。
ART「バジリスクタイム」は、追想の刻と争忍の刻の2部構成。
追想の刻のゲーム数を消化すると争忍の刻バトルに突入し、バトルに勝利すれば再度追想の刻へと移行する流れです。
バジリスクシリーズはその後「III」まで合計4作品が登場していますが、ゲーム性はこの初代から一貫して追想→争忍の形式を継承しています。
ちなみに、本機のARTの1G純増は約2.3枚。当時としては最高峰です。
設定6の出玉率は119%とこれまた最高峰でした。
バジリスクの代名詞とも言えるハイスペックは初代からのものだったんですな。
当時、この119%を狙う打ち手が多く、今でこそ認知された原作アニメですが、周りで知ってる人がいなかったほど知名度の低いものでした。
個人的には同じ原作小説から作られた映画『SHINOBI-HEART UNDER BLADE-』を見ていたので、思わずうるっとする場面なども。
ちなみに、映画のほうはオダギリジョーが弦之介、仲間由紀恵が朧を演じ、蛍火役の沢尻エリカ、天膳役の椎名桔平など適役揃いでした。
(C)KPE
年が明けて2010年1月。
がリリースされます。
マジハロシリーズの初代『マジカルハロウィン』は2007年に登場し、なかなかヒット機種に恵まれない5号機黎明期において確かな足跡を残しました。
その後、2009年にその後継機『マジカルハロウィンR』が登場し、2010年の『マジカルハロウィン2』でマジハロ人気に火が付きます。
本機のシステムはボーナス+ARTで、比較的波の穏やかなタイプ。
軽めのボーナスを契機に1セット30GのART「カボチャンス」へと突入し、ARTは終了後CZを経由してセット連チャンが発生する仕様です。
上位ART「キングカボチャンス」での大量ストックや、RB中のバトルに負けるまでARTが続く「スーパーカボチャンス」など、時としてビッグウェーブの到来もあり、ARTの1G純増は約1.2枚とやや少なめですがARTの謎連など意外性もあってプレイヤーから高評価を獲得します。
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. (C)Sammy
(C)RODEO 「新鬼武者」は株式会社カプコンの登録商標です。
そして、この機種が世に送り出されたことで、ホール環境は一変します。
時は2010年3月。
前作は4号機後期に登場し711枚BBのストック連チャンで人気を集めた『鬼武者3』。
今作はボーナス+ARTのシステムで、ARTには主に通常ゲーム中の強チェリーやBB成立時の抽選で突入します。
押し順型ART「蒼剣ラッシュ」は1セット50G、1G純増約1.4枚。
ART中はおもにレア役でゲーム数の上乗せが期待でき、直乗せが発生することもあれば後乗せとなる水晶を獲得する場合も。
この水晶、種類によって大量上乗せの期待度が変化し、桜柄ならなんと3桁上乗せが確定です。
ARTは規定ゲーム数の消化で継続バトルに発展し、勝利すれば次セットへと継続。
継続率は最低でも50%あり、最高の89%ループともなればロング継続必至。
とは言え、ART当選時は大半が50%ループで、89%ループの選択率は1%しかありません。
ボーナス中フリーズからの斜め蒼7揃いなど89%ループ確定のパターンはありますが、その壁は非常に高い。
そこで手っ取り早く89%ループを獲得できるものとしてボーナス間1400Gの天井がありました。
ボーナス確率はBR合算で263.2分の1(設定1)と重めですから、まぁまぁの頻度で天井到達が期待できたわけです。
ART中の上乗せはレア役経由で、今では当たり前の上乗せ特化ゾーンはありません。
通常ゲーム中もBBを引くか高確に上げ強チェリーを引いてARTに期待と、ART機ながらゲーム性は非常にシンプルです。
それゆえ、割と淡々とプレイしていた印象があります。
ただ、ART中の高確示唆はアツかった。
ART中は低確、高確、超高確の内部状態があり、状態昇格で上乗せ期待度が大きく変化します。
高確でのスイカは50%で上乗せが発生し、上乗せ時は50G以上が確定ですから、高確っぽいところでの松明演出、あれは痺れましたなぁ。
青ガッチャが出たあとは、叩きどころでした。
ゲーム数上乗せタイプは以前にも登場していましたが、この機種で上乗せの気持ち良さを実感したプレイヤーは多いのではないでしょうか。 打つプレイヤーが増えればホールも扱いを良くし、その相乗効果でいつも「新鬼」は大人気。
この新鬼ブームはその後しばらく続きます。
点数を付ける各誌のライターは一癖も二癖もあり、市場評価に関係なく自分の感性や主張を貫く傾向があります。
それの積み重ねが総合評価となるゆえ、攻略誌によってナンバー1は異なり一般的な評価とはかけ離れた結果になることもよくありました。
ありましたというか、3大攻略誌でナンバー1が同じになったことは記憶にありません。
しかししかし、この2010年はどの攻略誌も満場一致で「新鬼」がナンバー1。
それだけ圧倒的な評価だったわけです。
打って納得、みんな納得。
世論と温度差のない完全勝利でした。
初代『パチスロ北斗の拳』もそうですが、液晶が荒過ぎて最初敬遠した機種ってなんでこうも大ヒットするんでしょうかね。
液晶の綺麗さはそれほど重要ではない!?
設定 | BB | RB | ボーナス合算 | 出玉率 |
1 | 1/287.4 | 1/431.2 | 1/172.5 | 95.7% |
2 | 1/282.5 | 1/364.1 | 1/159.1 | 97.9% |
3 | 1/273.1 | 1/341.3 | 1/151.7 | 99.9% |
4 | 1/264.3 | 1/292.6 | 1/138.9 | 102.8% |
5 | 1/252.1 | 1/277.7 | 1/132.1 | 105.3% |
6 | 1/240.9 | 1/240.9 | 1/120.5 | 109.4% |
新鬼一色のホール環境の中、この年の9月、
それまでジャグラーシリーズと言えばGOGO!ランプで、リール左下が定番。
それを中リール下部に持ってきて、しかも周囲からは見えないよう奥に告知部分を設置するなど、傍流の匂いがプンプン漂ってきます。
しかしこれがまさかの大ヒット。
ほかのジャグラーシリーズにはない高いスペックはもとより、その誰にも知られぬ告知ランプがそれまで抱えていた不満やモヤモヤを晴らす効果がありました。
「ペカっても周りから注目されないのがいい」、「ペカったのが周りにバレないから目押しを何度ミスっても恥ずかしくない」、「ガコッがないから心臓への負担もない」など、常連のおじいちゃんたち曰く、この機種にはほかにはない安心感があるようです。
程よい設定推測要素とハイスペックぶりで若者から絶大な支持を集める一方、お年寄りもから人気があるのはこういう理由があったんですな。
ふとマイジャグのシマを見ると、そこはちょっと異質な雰囲気を感じたりもします。若者もいればおじいちゃんおばあちゃんも。
若者から年配者まで共存してるんですよね。
これほど幅広い層に打たれている機種ってほかにはないでしょう。
そんな人気機種もこの夏、4作目が登場します。
(C)UNIVERSAL ENTERTAINMENT (C)ELECO
2010年の年末、ホールを盛り上げたのは
1998年に登場した4号機『ハナビ』を始祖とするドンちゃんシリーズは、ドンちゃん3兄弟をイメージするが如く青ドン赤ドン緑ドンと派生し、それぞれ特色のあるゲーム性で差別化を図っていきます。
登場したドンちゃんは、ハナビが青ドンちゃん、オオハナビが赤ドンちゃんで、緑ドンちゃんは2000年の『ドンチャン2』で初めて登場します。
その後しばらくして、緑ドンちゃんの名を冠した『緑ドン 花火の起源探求之巻』が2009年に登場し、今作はその後継機という位置付けです。
本機のシステムはボーナス+ART。
ART「アマゾンゲーム」は1セット50Gの1G純増約1.5枚。
ART中にぽぽぽぽぽ~んとビリーをゲットすれば上乗せ特化ゾーン「X-RUSH」へ突入し、緑ドンちゃんとビリーがトリックと呼ばれるアクロバティックな合体技を繰り広げながらARTゲーム数を毎ゲーム上乗せしていきます。
躍動の緑。
ド派手なパフォーマンスはその名にピッタリです。
それにしてもこの緑ドンちゃん、3兄弟の末弟という境遇もあってか、中国や南米さらにはその後北欧にまで行かされるなど、いろいろと大変なようですな。