自民党カジノ議連が総会開催 会長に鳩山邦夫氏
「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」は1日、衆議院第二議員会館・第一会議室において総会を開催。カジノ議連では会長だった野田聖子氏が自民党を離党して以来、会長不在の状態が続いていたが、今総会で行なわれた役員改選で、会長に鳩山邦夫氏、幹事長に吉川貴盛氏、事務局長に萩生田光一氏が選出された。
会長に就任した鳩山氏は「具体的なスケジュールを考える時期に来ていると思う。今年に入り、党観光特別委員会の愛知委員長のもと、岩屋外務副大臣がカジノ・エンターテイメント検討小委員会の小委員長として15回も議論を重ね、基本方針をまとめた。自民党としての方向性は出ているので、今後は公明党、もしくは民主党にも声をかけていかなければ。議連が担う役割も重くなると認識している。議連の幹事長であった下村博文氏が官房副長官となり、またご存知のように中川秀直幹事長も非常に前向きなので、党執行部としても積極的に取り組んでくださるであろうと期待している。来年中には法案をまとめたい」と語った。
同議連顧問・自民党観光特別委員会委員長の愛知和男氏は「本格的に党としての取組みを進めていきたい」と挨拶。
萩生田事務局長は「議論を重ね、問題点はかなり整理されてきた。年明けにはこの成果を他党にも披露し、連携を取っていきたい。来年の通常国会は間に合わないかもしれないが、来年の臨時国会、または再来年の通常国会あたりでの成立を目指したい」と意欲を語った。
また、カジノ・エンターテイメント検討小委員会の岩屋毅小委員長が、同小委員会での検討結果を報告。カジノ・エンターテイメント検討小委員会がまとめた「カジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」の概要は以下のとおり。
・劇場やシネマコンプレックス、ショッピングやグルメモール、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設(=カジノ・エンターテイメント)の導入により、国際競争力のある観光を実現
・エンターテイメント関連産業の育成や雇用創出、地域振興に寄与・貢献
・カジノを施行できる主体は、地方公共団体ないしはその一部事務組合とする
・カジノ施設の企画、開発、建設、維持管理及び運営等を、公募に基づき特定の民間事業者に委託することも可能とする。運営受託事業者の選定については厳格な要件を定め、その適格性を国の機関が審査・認証する
・カジノ施設でゲームに用いられる器具・機材・システム等を製造、販売する業者なども国の機関による認証を受ける
・当面は政策的なニーズの高い地域2縲・ヵ所で施行して実績を検証し、段階的に拡大する。現時点では全国で最大10ヵ所程度の見込み
・施行収益は地方公共団体に帰属し、国の機関は法目的を遂行するための財源として施行者から収益の一定率を交付金として徴収する
このほか、大阪商業大学の谷岡一郎学長による、カジノの社会的コスト(カジノが存在しなければ発生しないと思われるコスト)についての講演が行なわれた。
谷岡氏は講演の中で、犯罪学的にも、カジノの登場によりその地域の犯罪が増加したという報告がない(人口増に伴う軽犯罪の増加はある)ことや、カジノがスタートした地域では風紀が向上したという調査結果があることなどを紹介。また、客層が違うことからカジノが登場してもパチンコ産業への影響はないという見解を示した。