ホール向け銀行ATMシステムのフィールドテスト実施へ(全日遊連)
全日本遊技事業協同組合連合会は11日、東京都新宿区市ヶ谷の遊技会館において全国理事会を開催。理事会後に行なわれた記者会見では、新基準機の認定申請の件や、ホール向けの銀行ATMシステムのフィールドテスト実施などについて報告が行なわれた。
新基準機の検定切れに伴う認定申請を販社の遊技機取扱主任者や優良ホール(特例風俗営業者)の遊技機取扱管理者が行なう場合の手続きについては、全日遊連、全商協、回胴遊商の3団体で骨格がまとめられ、19日に6団体で最終的な合意に至る見通し。しかし検定切れが間近に迫っている機種については、暫定的に対応を始めることとした。
ホール向け銀行ATMシステムについては、銀行ATMの設置・運用を行なう会社である(株)トラストネットから昨年7月に協議の申し出があり、その後約1年をかけて協議を行ない、このたび同社と「基本合意書」と「フィールドテストに関する覚書」を締結したことが報告された。
このシステムでは、のめり込み防止のため、1日の利用限度額を3万円、口座に残高がある場合のみ出金可能(カードローンや当座貸越などの融資による出金は不可)、消費者金融やクレジットカードの利用も不可、という仕組みを構築している。
小規模店や遠隔地の店舗も含め、すべてのホールの店舗内に設置が可能だが、“1日の利用限度額3万円”という上限を崩さないようにするため、デビットカードやNTTドコモのおサイフケータイを利用した他の決済システムと併せて導入することはできないようにする予定。
また、ATMにホールの売上金を入金できるため、現金の取り扱いにかかる警備費用などのコストダウンが見込めるという。
ATM本体の管理責任と費用負担は運用会社が負担し、ホールはATMの設置基本料を支払う。設置基本料は未定だが、月額で7縲・0万円程度となる見通し。
セキュリティ面やシステムの運用面で問題が生じないか確認するため、10月末から半年間程度、東京都内と神奈川県内のホール計10店舗でフィールドテストを行ない、お客の反応の調査や利用実態などを統計的に検証して、次の段階のテストに移行できるかどうかを判断する予定。フィールドテストの実施店は現在選定中だ。
このほか、全日遊連が行なう立入・巡回指導の実施状況報告が行なわれた。今年4月から9月末までの半年間に収集した情報の数は3610件(前年同期比1790件増)。このうち不正の疑いがあると判断された120件を含め、300店舗(前年同期比106店増)に対し調査を行ない、疑いが濃厚と判断された20店舗について当局に通報した。
寄せられた情報の増加理由について、全日遊連では、今年3月に不正情報投稿ページの告知用ポスターをホールに再度配布・掲示したことで、遊技客の不正防止に対する意識が高まったためと見ている。