パチンコ・パチスロの市場規模は2年連続20兆円割れ 参加人口は過去最低の1260万人に
日本生産性本部が発表した「レジャー白書2012」によると、2012年のパチンコ・パチスロ市場規模(貸玉料)は18兆8960億円で、前年比4840億円(2.5%)の減少。昨年に続き、2年連続で20兆円を下回る規模となった。参加人口は前年比410万人減少の1260万人となり、調査開始以来最低の数値に。
年間の平均活動回数は27.8回(前年比7.9回増)、年間の平均費用は9万3700円(前年比1万6600円増)と、ともに大幅増加。1回当たり費用は3370円(前年比500円減)。金額は抑えて多くの回数で遊ぶ結果となっている。参加希望率(将来やってみたい、あるいは今後も続けたいとする人の割合)は1.8%減少し7.7%となった。
白書では、1玉1円以下、1メダル5円以下の低玉貸し営業が完全に浸透し、今や低玉貸しでないとホール経営が成り立たない状況になっていると指摘。また、パチンコよりもパチスロの人気が高く、設置台数を増やしていると説明。景品交換問題にも触れ、「一物一価」を警察が厳しく指導していること。そのことにより、交換率の変更が更なる客離れを加速させる可能性がある、と分析している。
余暇市場全体では、市場規模は前年比4.5%減の64兆9410億円。パチンコ・パチスロを除いた分野では5.3%の減少を記録するなど、ほとんどの分野で落ち込みが見られた。これは3月に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で、年前半は自粛ムードが広がったことが大きかったのではないか、と分析。
また今回の「レジャー白書2012」では、東日本大震災がレジャーに対する人々の価値観にどのように変化をもたらしたのかを解明しようと試みている。震災後で余暇活動は増減したのかを地域に分けて調査。震災の影響は受けたものの、余暇活動が復興に向けたさまざまな取り組みの中で役割を果たしたのではないか、としている。