【パチスロ獣王特集】爆裂AT機の火付け役! 王国はここから始まった
別れと出会い、そして新たなスタート……。
この時期はとかく新しい出会いや出合いがあるもので、緊張と期待が同居するまどろっこしい季節でもあります。中学生や高校生ならともかく、中年になってもまだ心ざわめくこの季節は、知的動物としての本能なのでしょうか。近所の神社に行きました。桜に囲まれた参道を進み、鳥居をくぐり、神に手を合わせる。静寂とともに心のもやが晴れていく。不思議な感覚です。気分一新!
昨日までのケダモノのような心よ、さようなら(;д;)ノ~
爆裂AT機時代の始まり
この春、『番長3』と並び期待しているのが新作の『獣王』です。ケモノの王と書いてジュウオウ。いい響きです。『獣王』といえば、AT機というものを今から16年ほど前に世に知らしめた立役者。それまでの時代を両生類や爬虫類の時代とするならば、恐竜時代が到来した感じです。ここから爆裂AT機時代が始まりました。
そんな『獣王』の登場は2000年の12月。この年の4月にパチスロ初となるAT機能を搭載した『ゲゲゲの鬼太郎SP』が登場します。『鬼太郎SP』は同時にカバーできない3種類の9枚役があり、ATに突入すると成立した9枚役をナビするというもので、1G純増は約0.3枚と微々たるものでした。メダルを減らさず現状維持させながらボーナスを待つイメージです。ちなみに、『鬼太郎SP』が登場する4ヵ月前に、パチスロ初の液晶機『ゲゲゲの鬼太郎』が登場しています。この『鬼太郎』は液晶+8ライン機ということもあって、金髪モヒカン鼻ピアスくらいの奇抜な印象を受けたものです。
初代『獣王』登場!
初代『獣王』
さて、そんな初AT機からたった8ヵ月後に爆裂AT機『獣王』が登場します。上部パネル中央に四角い枠があり、獣王のタイトルとSUPER ATの文字が踊っています。液晶かと思いきやただのパネルで、リール右のドット部分が唯一の演出発生装置です。BB確率は設定6のみ348分の1で、設定5以下は439分の1。RB確率は720分の1から819分の1でした。とにかくボーナスが重い。そのボーナスの代わりに出玉獲得のメインエンジンとなるのがAT「サバンナチャンス(SC)」です。
通常時は12種類ある15枚役が高確率で成立していますが、当然のことながら同時にフォローはできません。SCに突入するとそれをドットで「ダチョウ・7・ゾウ」などのように各リールに狙うべき図柄を指示することで15枚役を獲得できるシステムです。SCは1セット10or30G。出現比率は1:1。1Gあたりの純増は約10枚で、10Gなら約100枚、30Gで約300枚の獲得が見込めました。さらに3G目から8G目までを36秒で消化できれば+1Gというオマケ機能もあり。3リールの目押しをしつつ15枚の払い出し時間もあるため、高速消化の難易度は高めでした。急ぎ過ぎるあまり、小役を取りこぼして逆に損なんてこともありましたっけ。
初代『獣王』のAT中のドットナビ
SCの抽選方式も画期的でした。純ハズレや完全ハズレと呼ばれるハズレがSCの契機です。通常時、何も揃わないハズレ目はほとんどが15枚役の取りこぼしで、純ハズレは200分の1程度で出現するレアな出目でした。順押しでも見分けは付きますが、変則押しだとわかりやすく、さらに1リールで成立役の絞り込みができたりと、変則押しをするプレイヤーが大多数でした。ただ、初代『パチスロ北斗の拳』同様、変則押しでリプレイを取りこぼす点が弱点で、よく取りこぼしていました(泣)。
マングース
単なるAT機に留まらず爆裂AT機と呼ばれるゆえんはSCの連チャンテーブルにありました。SC初当たり1回の連チャン数は最高で29連。内部状態(高確低確)と設定で連チャン振り分けは変化し、奇数設定が高確でSC当選なら平均6連です。SC1セットあたり平均200枚とすると、平均1200枚となります。たまに薄いところを引いて20連以上なんてのもよくありましたから、この連チャン振り分けが勝負の綾でした。SC終了後、連チャンの残りがあれば平均25G程度で連チャンが発動となるんですが、この潜伏アクションが絶妙で、ドットにマングースが出るだけで興奮したり、あるいはリプレイ対応のカバが出たのにリプレイ否定という鉄板型があったりと、シンプルなんですがその当時はそれだけで興奮できたものです。SCは3連を超えると奇数回の振り分けしかないため、そのタイミングで潜伏確定パターンが出ると少なくともあと2回はSCが出てくる、んじゃ下皿分を箱に移しとこうかとなったんですな。まぁ、SC中の純ハズレでもSCの上乗せがあったため、計算が合わないこともありましたっけ。
キリン
そして、特徴的なのが設定6の挙動です。出率は119%となっていますが、実際はそれを遥かに超えるスペックで、さらに設定6は内部状態の高低に関係なく純ハズレ時の92%でSCに当選するわかりやすい挙動を示しました。イベントとなれば朝から当然満席。徹夜並びなんて当たり前。6判別までの時間、ツモれたときの見返りから不動の1番人気でした。まさにイベント時代の申し子です。その特徴ゆえ、朝イチ1発目の純ハズレでSCに当選しなければ「投げ」を意識しますが、たまに投げた台が6という恥ずかしいこともあるわけで、周りの挙動を確認しながら純ハズレ2回までは様子見というのが定番でした。実際のところ、設定6だとSCは単発or3連がほとんどなので、連チャン数での判断も効きました。
カバ
SC当選率や連チャン振り分けに影響を及ぼす内部状態の高低。高確に上がるのはほぼBB後のみで、BB後以外だとチェリー時の256分の1など約8000分の1という低さでした。また設定2以上に変更した場合もほぼ高確に移行する特徴がありました。この機種の大きな特徴とも言えるのが、高低を外からわかる「ランプ判別」ができた点です。第3リールを止めてから約30秒放置するとリール上にデモフラッシュが走るんですが、このデモフラッシュ発生直前に右リール上段が点滅すれば高確確定という、わかりやすい機能を備えていたんです。なので、朝イチは高確を探して点滅チェックをし、普通にプレイしているときは純ハズレ出現後にまだBB後50Gだし高確だよなと確認に使えました。高確はリプレイの一部などで低確へ転落しますが平均100G程度継続しましたから、そこそこ純ハズレも期待できたんですな。
ほかにもBB成立ゲームで15枚役を抜く小技があったりと、攻略要素、スペック、特異性などで急激に人気を獲得し、たちまちホール内の頂点に君臨したのがこの『獣王』だったわけです。そして、ここから『獣王』を超えるAT機をと、各社爆裂AT機の開発に力を入れるようになりました。
後継機『猛獣王S』登場!
猛獣王S
2002年8月、後継機『猛獣王S』が登場します。液晶機になったこと、AT「サバンナチャンス(SC)」が3種類の中から選べるようになったことなどが大きな変更点です。SCの1G純増は約10枚と前作と同じです。BB確率は設定6のみ298分の1と高く、設定2と4で400分の1、奇数設定で440分の1。RB確率は720分の1から1311分の1と設定が高いほど確率も高く設計されていました。
SCの抽選は前作と同じ純ハズレがメインで、純ハズレ確率は設定6のみ397分の1と低く、それ以外は250分の1前後。純ハズレ以外にもSC契機が多数存在し、RB成立時の抽選、チェリー時の256分の1、BB中のJACハズレ(16384分の1)、BBで450枚以上獲得、BB中のリプレイハズシ、ボーナス終了後1G目のRBorハズレなどもありました。1回のSC当選での最大連チャン数は31連と、前作の29連を超える振り分けまでありましたっけ。
『猛獣王S』のAT中ライサバナビ
3種類の選べるSCは、揃えたBBの種類でその後の液晶ステージが変化し、結果そのステージのSCに突入するというものです。なので毎回自分で選択できる仕様ではなく、前にプレイしていた人がライオン7を揃えていればライオンステージとなり、そこでのSCは「ライサバ」となるわけです。同様に、ゴリラ7で揃えていれば「ゴリサバ」、ダチョウ7なら「ダチョサバ」です。
『猛獣王S』のAT中ゴリサバナビ
各SCごとに特徴が大きく異なります。ライサバは1セットのゲーム数が10or30or50or100G。ゴリサバは1セット20Gの固定型。ダチョサバは11G目に2択チャレンジが発生し当たれば+9Gとなり、それが2択失敗まで継続というシステムでした。振り分けに身を委ねるのか、安定を取るか、はたまた自力でロング継続をもぎ取るのか。悩みどころでもありましたな。
『猛獣王S』のAT中ダチョサバナビ
そして、猛獣王といえば天井です。ボーナス間1200Gで天井状態となり、以後64分の1のチェリー成立ごとにほぼSCに当選していました。チェリー時のSCハズレ(256分の1)となるかボーナス成立までこの天井状態は継続したため、非常にオイシイ天井でした。ただ、あとから出たスペック違いの『猛獣王G』は天井後のチェリーはSC1回だけ抽選となったため、ハマリ台を見つけたときはまず先にSなのかGなのか確認することが重要でした。
2003年2月『サバンナパーク』登場!
サバンナパーク
『猛獣王S』の登場から半年後の2003年2月。出玉性能を抑えたシリーズ機『サバンナパーク』が登場します。爆裂AT機が問題視されていた時代ですから、当然といえば当然です。AT「サファリチャンス(SC)」を搭載し、SCの1G純増は約3枚と、従来機種に比べて約3分の1に低下しました。サバンナチャンスという表現は用いられず、前とは別物ですよとのアピールなのかサファリチャンスという別名称のATでした。
『サバンナパーク』のAT中ドットナビ|http://www.sammy.co.jp/product/pachislot/savanna/page3.html
この機械には液晶がなく、初代『獣王』と同じドットでナビが発生。6択の8枚役を押し順ナビに従うだけで獲得できる簡単消化が売りです。SCの抽選契機はBBがメインとなり、SCの1セットゲーム数は20or50G。もちろん連チャン性もありました。そして特筆すべきがBAR揃いの「グレートサファリツアー」。この32768分の1のプレミアム役は成立すれば1000GのATが確定するというもので、1G純増が約3枚ですから約3000枚は確保でき、さらにボーナスなどでの上乗せも期待できました。とはいえ、4日打って1回出るほどの出現率。そう簡単には引けません。これを引くまでデータ取りに行かせられた新人君、引くまで何日かかったことやら……。
2007年5月『けものっち!』登場!
【左】けものっち!ゴールドバージョン 【右】けものっち!シルバーバージョン
5号機時代に突入ししばらく経った2007年5月、『けものっち!』がリリースされます。ズルっとスベってピカっと光るを合い言葉に、完全告知機として颯爽と登場です。BBとRBを搭載したシンプルマシンで、第3停止後に告知が発生する後告知タイプです。小役との同時当選もありました。ボーナスのメインは愛らしいキャラのマングースリプレイ。このマングリ出現後はプチRTに突入し、リプレイの連続に一喜一憂するゲーム性です。『アラジン』など昔のサミー機種を思い出させるスベリ制御は個人的に◎。RBの設定差が大きく、出玉率も高めだったため隠れた人気機種でしたな。
2013年12月『パチスロ獣王 王者の帰還』登場!
パチスロ獣王 王者の帰還
『けものっち!』からだいぶ時を経た2013年12月、『パチスロ獣王 王者の帰還』が登場です。1G純増約2.5枚の疑似ボーナスやAT「サバンナチャンス(SC)」で出玉を増やすシステムです。昔の『獣王』とは異なり演出はコミカルタッチで描かれ、2枚目俳優が10年経ってお笑い芸人になったような印象を受けたものです。
『パチスロ獣王 王者の帰還』のAT中
レア役やCZ「獣王モード」からボーナスやSCを射止めるゲーム性で、SC中は獣玉を10個集めると上乗せゾーンに突入です。カルテットシステムと呼ばれる4種類の上乗せゾーンはそれぞれゲーム性が異なり、ライオン、ダチョウ、ゴリラ、象があります。ライオンは5G+α継続し、リプレイ以外でATのゲーム数を上乗せ。ダチョウは最初の5Gで基本の上乗せゲーム数を獲得し、以後2択に正解するごとに基本ゲーム数が倍増するという事故が起こりやすい仕様です。ゴリラは10G+α継続し、上乗せ発生で1G目から再スタートするST方式。最上位の象は10G+α継続し、平均240Gの上乗せが期待できました。夢が見られるスペックというのもありましたが、設定変更後の特典などもあって朝イチから埋まりやすい稼動貢献度の高い機種でもありました。
最新作!2017年4月『パチスロ獣王 王者の覚醒』
パチスロ獣王 王者の覚醒
そして、この度登場するのが『パチスロ獣王 王者の覚醒』です。帰還からの覚醒であります。AT機だった前作に対し今作は1G純増約1.4枚のART機となりましたが、SC中は獣玉を集め上乗せゾーンを目指すなど基本的なゲーム性は前作を踏襲しています。細かなゲーム性は機種紹介ページを見ていただければと。
【機種情報】パチスロ獣王 王者の覚醒
http://www.pachinkovillage.com/slot/s.php?M=4875
『パチスロ獣王 王者の覚醒』のART中覚醒ラッシュ中
最後に
5.5号機が振るわない中、覚醒した王者ならきっと業界を活性化してくれるのではないかと淡い期待をしております。君の名は、獣の王と書いて獣王。前、前、前、前、前機種は一時代を築いた初代『獣王』です。やってくれるはず。お触りNGのお店で女の子に触れ「この、ケダモノっ!!!!」と言われた僕も、それにめげず店への帰還を果たし、覚醒した姿で春の一夜を楽しみたいと思ってますので、ケモノの王様もご武運を。
(C)Sammy