遊技産業健全化推進機構が設立 具体的内容は今後決定
遊技機等の不正改造行為の根絶を目指すために遊技産業団体が設立する第三者機関『有限責任中間法人 遊技産業健全化推進機構』の設立記者会見が、22日に東京都港区「虎ノ門パストラル」において行なわれた。
代表理事には河上和雄氏(弁護士、元最高検察庁公判部長)が就任。立入検査の人員や誓約書の件など、具体的な内容については、今後、同機構の理事会で決定されていく見通しだ。
同機構の社員・役員は以下のとおり。
■有限責任中間法人 遊技産業健全化推進機構
●社員(順不同)
・全日本遊技事業協同組合連合会
・社団法人 日本遊技関連事業協会
・日本遊技機工業組合
・日本電動式遊技機工業協同組合
・全国遊技機商業協同組合連合会
・回胴式遊技機商業協同組合
・遊技場自動サービス機工業会
・遊技場自動補給装置工業組合
・遊技場メダル自動補給装置工業会
・有限責任中間法人 日本遊技産業経営者同友会
・有限責任中間法人 余暇環境整備推進協議会
・有限責任中間法人 パチンコ・チェーンストア協会
設立会見には、河上代表理事、伏見専務理事、さかもと理事、平川理事、三上日遊協専務理事が出席。
機構の設立目的について河上代表理事は「健全化に資する施策の推進、特に遊技機の不正改造の根絶・安心安全な遊技環境の整備など」と説明したほか、「今はコンプライアンスの時代。どの事業でも法令や規範に反することはしない・させないという考え方が一般的だ。パチンコ・パチスロ産業においてもコンプライアンスを徹底していきたい。そのために機構としてもできる限りのお手伝いをしていく。もちろん、第三者機関とはいえ強制力を持つ機関ではないので、不正を発見した場合は警察に連絡する。警察との緊密な関係のもと不正根絶を図りたい」と抱負を語った。
河上代表理事は以前、日遊協の「21世紀のパチンコ産業を考える有識者懇談会」で座長を務めた人物。今回の代表理事就任の経緯について河上氏は「有識者懇談会の座長を務めていた頃に痛切に感じたことは、ホールだけでなくメーカーや販社など、遊技産業の関係企業・団体が利害関係を超えてひとつにまとまらない限り健全化は遠いのでは、ということ。ところが最近、そういう機運が高まっているという話を聞き、乗りかかった船だと思いお引き受けした。また、私自身も社会に恩返しをしたいという気持ちがあった」と語った。
伏見専務理事は、友人・知人に警察関係者が多く、その縁で誘いがあったと就任の経緯を説明した上で、「やはりITの世界のことなので、何が悪いのか見つけ出すのが難しい。どのように不正を見つけていくか、そのシステムを構築していくかが重要だろうと思っている」と語った。
また、さかもと理事は、都遊協の社会貢献活動に協力してきたことが縁となり同機構に参画することとなったと説明した。
ホール営業者が同機構に提出する、機構の運営費拠出や随時・無通知での立ち入り検査受け入れを誓約する“誓約書”の提出予定時期や、立入検査要員の人数など、具体的なことについては「これから詰めていく。今の段階ではまだ発表できるほど固まっていない」(河上代表理事)と報告。今後開催される理事会において検討・決定される見通しだ。
立入検査により不正の疑いが発見された場合は、機構から警察に通報する予定。
しかし、不正事案かどうかについての判断・認定は同機構ではできないこと、法的にも難があるという指摘が公正取引委員会からあったことなどから、不正の疑いが発見されたホールの公表はしない予定だという。
同様に、当初検討されていた“不正が発見されたホールに対しメーカーが遊技機を一定期間販売しない”等のペナルティ案についても、独禁法に抵触する恐れがあることから直接的には行なわれない見通し。しかし、立入検査により得た情報を同機構からメーカーに提供し、それを元にしてメーカーが独自に遊技機販売の可否を判断する、という可能性を示唆した。
また、誓約書を提出し、誓約書に定められた事項を遵守しているホールについては、“不正改造のない安心して遊べるホール”として、インターネットなどで公表する予定だという。