新理事長に原田實氏(全日遊連総会)
全日本遊技事業協同組合連合会は5月30日、港区「ホテルパシフィック東京」において平成20年度通常総会を開催。任期満了に伴う理事・監事の改選が行なわれ、新理事長に原田實氏(東京都理事長)が就任した。
総会の冒頭、山田理事長は、業界の現況についてホールの売上減少や店舗数の減少傾向、関連企業の業績悪化など「たいへん憂慮すべき状況が続いている」と語り、「この難局を乗り切るためには、全ての遊技業界関係者が心を一つにし、できる限り業界コストを下げてお客様へ還元し、遊技人口の回復に努めていく必要がある。高コスト体質やヘビーユーザー偏重の営業方法を改め、多くの国民から愛され親しまれる健全な大衆娯楽として、また、日本の文化として発展していくことを目指し、業態転換を推し進める必要がある」と、安く遊べる遊技環境への業態転換を強く呼びかけた。
また、環境問題対策・業界のCO2排出量削減目標の件についても触れ、「ホールにおいて節電や省エネ機器導入・電気料金削減をすることが第一。高コスト体質からの脱却を助ける一面もあると考える」と語ったほか、省エネ型遊技機の発売にも期待を寄せた。
総会では、来賓として有限責任中間法人 遊技産業健全化推進機構の河上和雄代表理事、社団法人 日本遊技関連事業協会の深谷友尋会長、日本遊技機工業組合の井置定男理事長が祝辞を述べた。
任期満了に伴う理事・監事の改選では、理事・監事・参与が原案通り承認された。続いて第1回理事会が開催され、新理事長に原田實氏(東京都理事長)が選任された。原田新理事長は「遊技業界の厳しい情勢を鑑み、意を決して立候補した。山田前理事長には、8年の長きにわたり全日遊連の運営・遊技業界の更なる発展に尽力され、また副理事長の方々も山田理事長を支えてこられた。その御尽力に深く敬意を表する。今後、新副理事長とともに業界の発展と健全なる姿の維持に最大限努力をしていく。パチンコファンの人口増加・回復という大きな夢を成し遂げていきたい。健全娯楽・身近で手軽な大衆娯楽の理念に基づき、全日遊連を導いていくことをお誓い申し上げる」と抱負を語った。
山田理事長は2000年5月に全日遊連理事長に就任。
2005年5月に同氏が経営するホール数店に行政立入があり、無承認変更(ゴト対策部品の付加)が指摘されたことを受けて同年7月に辞意を表明。9月に営業停止90日の行政処分が下されたことから辞任願が正式に受理され、原田氏が新理事長に就任した。
しかし、2006年5月開催の通常総会での任期満了に伴う役員の改選にあたり、山田氏が多数の理事から推される形で理事長に立候補。原田氏も支持者からの強い要請を受けて立候補し、候補者決定のための選挙が4月に行なわれたが、3票という僅差で山田氏が勝利し、再び理事長に就任していた。
総会終了後に行なわれた祝賀パーティーでは、警察庁生活環境課 辻義之課長が祝辞を述べ、その中で退任した山田理事長や副理事長たちについて「(任期中は)大きな課題が色々あったと思うが、組合員と連携し一つひとつ解決していただき、ありがたく思っている」と謝意を述べた。また、「(旧基準機の)入替についても遵法精神のもとスムーズに実施され、また、環境問題についてもさっそく計画を作っていただいた。私が18日に衆議院の環境委員会の答弁に呼ばれた際も、パチンコ業界は廃棄台の問題やCO2削減の問題について一生懸命取り組んでいるとのコメントをいただき、私としても大変力強く思った」と語った。
続いて未来型パチンコ産業創生会議の日下公人会長が祝辞を述べ、その中で「多くのホールが閉店しているが、閉めた店舗がその次に何をやっているかというと、漫画喫茶やネットカフェ、マッサージなどになっている。これが客の未来のニーズか、“独りで静かに過ごしたい”と考える人が多くいるのかなと感じた。パチンコも昔はそうで、独り静かにパチンコの玉を弾き、当たっても当たらなくても気休めになっていた。これまでは、スリルがあるほうがいいだろうという流れだったが、“心静かに独りで”というパチンコを求める人もいるのでは、などと色々考えている。客の心から考えるというのも、ひとつの視点では」と語った。
その後、日本電動式遊技機工業協同組合の里見治理事長が乾杯の音頭をとった。