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「パチンコ・パチスロ以外のギャンブルはしない」ぱちんこ依存の特徴?(RSN報告)

ぱちんこ依存問題の相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク(http://www.geocities.jp/rsnokinawa/)」(略称:RSN)が2006年度・2007年度の電話相談事業の報告をまとめた。

相談総件数は、2006年度は989件、2007年度は846件。相談事業を開始した2006年度に比べ、マスメディアで取り上げられた回数が減ったことが相談件数減少の要因とRSNでは見ている。
電話をかけてきた人(コーラー)の立場別で見ると、2007年度は前年に比べ、問題を抱える本人(対象者)からの割合が増加した。マスメディアに取り上げられた場合は家族・友人からの相談が増加するが、対象者への伝達手段としてはホール内でのポスター掲示が有用という傾向があるという。RSNでは、対象者から直接相談を受けるほうがより効果があると判断し、全日遊連を通じて各ホールに告知ポスターの掲示を依頼するなど、本人への直接告知を重視した取り組みを行なっていた。
相談回数別では、複数回電話をしてくる相談者が2006年度より増加した。

対象者の性別を見ると、男性が約7割・女性が約2割、不明や間違いなどが約1割。この男女比は遊技参加者の男女比と近似している。
年齢別で見ると、相談者・対象者ともに30代が最も多いが、一方で10代から90代まで広い年代層を形成。RSNでは「いずれの世代でも問題が起こりうる可能性を示唆している」と見ている。

遊技をし始めた年齢を見ると、男性の多くは10代・20代に開始、女性では20代が多いものの全年代層に及んでいる。この差についてRSNでは「早期に開始した男性に問題が生じやすい・女性はどの年代から始めても問題が生じやすい、という可能性が考えられる」とし、今後の追跡課題とした。

いつ頃から問題化したか(楽しめなくなったか)という点では、男女ともに「この1縲・年」という回答が最も多かったが、10年以上問題化しているケースも全体の26%を占めていて、報告では「いったん依存問題が生じると長期にわたり問題が持続する危険性が示唆された」と説明している。

のめり込んでいる機種についての質問では、2007年度は2006年度に比べパチンコの比率が減り、パチスロもしくはその両方と回答した人が増加。総計での構成比率はパチンコが62%、パチスロが25%、両方が13%で、ホールでの設置台数比率(パチンコ65%、パチスロ35%)と同程度。のめり込みの問題はいずれの機種でも生じている現状が明らかになった。

パチンコ・パチスロ以外のギャンブルについての質問では、他のギャンブルをやっていると回答した人は総数1719件中133件(不明は除く)で、ほとんどの人がパチンコ・パチスロ以外のギャンブルをしないことが判明。RSNでは「この特化性は、ぱちんこ依存の特徴のひとつではないかと考えている」と報告している。

RSNに相談する前にどこかに相談したことがある人は全体の4分の1で、医療機関が最も多く、次いで県精神保健福祉センター、弁護士会など。相談経験を持つ人が少ないことから、問題啓発の必要性と、各種施設・制度・機関など社会資源側のサービス提供をより積極的に行なう必要性が指摘された。
ぱちんこ依存以外の問題を有するとした回答は1480件中403件で、最も多いのが総合失調症やうつ病などの狭義の精神障害、そのほかパニック障害や不眠症などの精神障害など。ぱちんこ依存問題が他の精神医学的問題に重複して起こりうることが示唆された。

借金の有無については、55%が「有り」と回答。また、借金はないが給与やボーナスをつぎ込んでしまう、というケースも少なくないという。RSNへの相談で知りたい内容のトップは「やめる方法/やめさせる方法」で、「借金の返済方法」をはるかに上回った。

RSNでは、受けた相談電話のうち71%については、県の精神保健福祉センターや当事者の相互援助グループなどの他の相談機関を紹介しているが、相談者のニーズに合う相談機関が相談者の居住地にないなどの理由から、充分な対応ができないまま終了することもあるという。そのため報告書では、相談対応のレベル向上や、全国的な問題啓発を課題として掲げた。
なお、RSNでは今後、これまでの相談の中で培ってきた経験・ノウハウを元にして、援助職者や金融関係者などを対象とした「ギャンブリング問題の援助職・サポーター養成講座」を全国数ヵ所で開催する予定だ。

■リカバリーサポート・ネットワーク
http://www.geocities.jp/rsnokinawa/

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