日電協が第37回通常総会を開催
6月9日、日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)は、パレスホテル東京にて、第37回通常総会ならびに懇親会を開催した。
記者会見では、理事長 佐野慎一氏が「遊技業界においては大変厳しい状況が続いており、平成28年度はIR推進法成立に伴う依存問題への取り組みの強化、5.9号機基準の制定、新基準に該当しない高射幸性遊技機をはじめ、多くの問題があったが、皆さんの協力により進めていくことができた。今年度も新流通制度の円滑・適正な運用、不正改造・ゴト対策の強化、そして高射幸性遊技機の更なる撤去促進、依存問題の一層の取り組み強化など、前年度に増して多くの課題を抱えているが、組合員一同力を合わせてこれらの課題を乗りきっていかなければならない。また私ども遊技機メーカーの使命として、業界の未来を見据えた魅力ある遊技機の研究開発に向け、創意工夫をこらしていかなければならないと考えている」と挨拶した。
また質疑応答で佐野理事長は、現在の最優先課題は“6号機の規則改正と5.9号機”とし、6号機の進行状況については「これから話を詰めていく」という回答にとどめた。
新基準に該当しないパチスロ機、高射幸性機の撤去について兼次筆頭副理事長は、全日遊連と現在協議中で、次回は6月中旬に連絡会議がある旨を説明した。
平成29年度の事業方針としては以下のとおり。
○遊技産業を取り巻く状況に適合した遊技機の開発と環境整備
1. 6号機以降の遊技機開発に向けた検討
2. 新基準に該当しない遊技機の撤去方策の推進と5.9号機の提供促進
3. 規則必須特許の取扱いに係る枠組みの構築
○健全化・セキュリティ対策の推進
1. 流通過程における遊技機の不正改造ゴト等の撲滅
2. ゴトがされにくい遊技機開発・環境作りと発生時における迅速で毅然とした対処
3. 闇スロ撲滅対策の推進
○依存問題等に対する取り組み
1. 依存問題に対する取り組みの強化
2. 第7回「8月4日はパチスロの日」の実施
3. CSR(Corporate Social Responsibility)活動の推進
4.パチスロプレイヤー調査の継続実施
5. 事務局OA系のリプレース
平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)の日電協証紙発給枚数は、昨年より9.2%少ない603,554枚と発表された。
なお、理事を務めていた木原海俊氏が退任して、信田裕一郎氏が就任、副理事長の兼次民喜氏が筆頭副理事長となった。
記者会見後に行なわれた懇親会では、来賓挨拶として、警察庁 生活安全局 保安課専門官 古閑誠弘氏が登壇。都合で臨席できなかった課長 小柳誠二氏の代読をした。
パチンコ・パチスロは、我が国の代表的な娯楽として親しまれておりますが、一方で依存問題や子供の車内放置事案等、パチンコ・パチスロの遊技に伴う問題がマスコミに大きくとりだたされており、業界に対して厳しい視線が注がれてきている。
またこのような中、パチンコ・パチスロ依存問題につきましては、昨年末に成立したIR推進法の審議において重大な問題と指摘された他、同法の付帯決議においてパチンコ・パチスロ等の依存問題について言及されてる。
また、本年3月にギャンブル等依存症対策関係閣僚会議においてパチンコ・パチスロの依存問題について課題となっている。警察としてもこれらの課題を的確に対応するため、対策を進める必要があると考えている。業界においてもこれらの諸問題の対応、確実かつスピード感をもって実施していく必要がある。
貴組合においては、依存防止対策に資する射幸性を抑制した遊技機作り、不正改造防止対策等、遊技客に安心して遊技そのものを楽しんでもらうため努力していただいているほか、回胴式遊技機製造業者連絡会議を開催し、諸組合に所属していない製造業者にもこうした取り組みを周知徹底を図っていただいている。今後も業界が一丸となって依存防止対策に重点を置きつつ、パチンコ・パチスロが健全な娯楽となるための取り組みをより一層推進していただきたい。その中で貴組合が引き続き、大きな役割を担っていくことを心から期待している。
依存防止対策を含め、ぱちんこ営業の健全化については、私どもにとっても重要な課題のひとつだと思っている。これに向けた施策をより一層推進していきたい。