都遊協が「第30回“フォーラム110”」を開催
10月11日、東京都遊技業協同組合はヤクルトホールにて、セミナー「第30回“フォーラム110”」を開催した。
約14年ぶりとなる規則改正に伴い、規則改正後の遊技機についての興味をもったホール関係者約150名がセミナーに参加した。
一部では株式会社パチンコビレッジ 代表取締役 村岡裕之氏が登壇。
2017年の業界全体の傾向について「前回の規則改正2004年以降で、参加人口と市場規模が最小値となった。参加人口は2004年の約半分940万人まで減少しました」と語った。
また「再来年までは、販売台数も減る傾向にあると考えられる。その中で、パチンコであれば『GANTZ』で流行った小当たりRUSHを搭載した台、パチスロであればメーカー開発期間の問題でAタイプが今後のトレンドとなるでしょう」と考察を述べた。
二部では、メーカー役員による今後の遊技機動向が解説された。
はじめに、規則改正の流れや、内容が解説された。
サミー株式会社代表取締役常務 研究開発統括本部長 星野歩氏は「技術上の規格解釈基準が示された後に、パチンコ・パチスロに関する“内規”が決定、2月1日より“新規則”が執行される予定だ」と、今後の規則改正の流れを解説した。
京楽産業.株式会社 執行役員 開発本部長 井坂正行氏は、前回の2014年規則改正と今回の規則改正との違いを解説。「射幸性の基準が変わった点と(最大出玉が3分の2となった)、パチンコによる設定が設けられた点が大きな違いである。また、パチンコ・パチスロ両方が厳しくなるのは初めてだ」と述べた。
また規則改正に伴い募集されたパブリックコメントについては、株式会社藤商事 常務執行役員 開発本部長 松下智人氏が「前回パブリックコメント募集時は業界人からの回答はNG、集まった意見は900程度だった。今回のパブリックコメントでは15,000弱もの意見が集まっており、世間の関心の高さが伺えた」と解説した。
次に、規則改正による変更点・重要箇所の解説が行なわれた。
星野氏は「ベースを担保することで、出玉の波を作りにくくなる。しかし、ユーザーの消費金額は抑えられ、持ち玉遊技も増えることで、しっかり遊べる機械が増えるだろう。遊びやすい遊技機が増えることで、遊技人口の増加が見込めるだろう」と述べた。
今後のパチンコ・パチスロ機について、新基準機は、パチンコについては早くて夏商戦、パチスロは前回の規則改正時同様1年後ぐらいからの登場になるのではないかと推測した。
最後に、総括としてそれぞれ来場したホール関係者へ挨拶を行なった。
松下氏は「今後世の中のパチンコ・パチスロに対する見方が大きく変化していくと思われます。機種開発を行なう上で、今まで以上にホール様の意見を反映して行きたいと考えており、新たなファンの獲得、参加人口の増加へ繋げられればと考えています」と述べた。
井坂氏は「パチンコでは、設定が付けられるようになり、新しい遊びを提供出来る可能性も有ります。その中で、メーカーとホールが協力をして、ファンを取り戻せればと思います」と語った。
星野氏は「サミーでは、“BtoC(メーカーからユーザーへのアプローチ)施策”に力を入れており、社内でも仲間と連れ立ってパチンコへ行く≪連れパチ≫を推奨しています。身近なところから、業界関係者含め連れパチを行なうことで、業界を盛り上げて行きたい。また、大きくパチンコ・パチスロ共に変化が訪れたことを認知していただくために、メディア・広報活動等にも弊社含め力を入れていただきたいです」と来場したホール関係者へ呼びかけた。